桐朋学園のお話しの続きです。とにかく個性豊かな人材の集団であるというお話は前回しました。高校生から研究科の学生まで同じ建物に生息し交流があるのですが、その面白い特徴の1つに上下関係が希薄であり、初めて話した者同士、学年がどうあれ基本はタメ口なのです。年齢よりも実力が優先されるといっても言い過ぎではないでしょう。高校生が大学生に向って偉そうに話しているのも珍しくないのです。実力ある者のほうが偉い???のです。

 

そして個性はいろいろな部分に表れています。よく言えば自己主張とも言えますが、当人は無意識なのでしょう。真偽のほどはわかりませんが、指揮者の井上道義氏は昔バイクで校舎の階段を爆走して登って行ったという逸話も残っているほどです!!!そして私が実際に目にしたのは、いつ見てもイヤリング代わりに輪ゴムを耳にかけている不思議な男子学生!今でこそ有名な作曲家になったある学生は、昔は6角形の縁取りの眼鏡におそらくは自分で切っているであろうヒッピー風の長髪で話したかと思えば甲高い声で「ひっひっひっー大野君!」と正直言って気味の悪い笑い方!今でこそ著名になった某オーケストラの音楽監督であり指揮者の男子学生は、和声学の授業が始まる直前にほかの学生に向って「お前ら信じられねー!お前らみんなバカだ!」といきなり叫ぶしまつ・・・。皆、今でこそ立派な社会人になって大人になったもんだと信じられない思いでいます。

 

面白いのは学生だけではありません。一般教養の数学の授業は、なんと因数分解から始まり、英語に至っては現在進行形の説明から始まり、要するに中学2年程度の内容です。それでも信じられないことに「わかんねー!」という学生が何人もおり、それに関係なく授業を進める先生たちのいい加減さ!同じく生徒が理解していなくてもどんどん授業を一方的に進めてしまいご自身だけで納得している様子のドイツ語やフランス語の先生!男子学生のことが大好きで有名なあるご婦人の先生の実技関係の授業の第1回目で「それではえーっと・・・あなた弾いてみて!」と指をさされた私!音楽史の授業は333教室という大教室で学年全員が一緒に受けるのですが、何せ1年間の授業の内容のほとんどはバッハ以前の時代の音楽についてであり、だれも興味がないので講義を聞かずおしゃべり三昧、最後の試験の時もいつもの調子でみんなで相談しながら試験を受けている始末で、さすがの先生もマイクで「皆さん!皆さん!」と呼びかけ、さすがに怒ると思いきや「もう少し静かな声で!」・・・。

 

とにかくすごい学校なんです!

 

かくいう私も入学試験の面接のときに文章を読まされ「山川草木(さんせんそうもく)」を読めなくて「えーっと、やまかわくき!」と読んだら試験官たちに大笑いされ、その中にフルートの峰岸壮一先生もいらっしゃいました。ソルフェージュの新曲視唱の試験で音程がとれず、試験官の先生たちに爆笑されことたびたびでした。私自身、人のことをとやかく言えたものではありませんね。




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