従来の奏法とロシアピアニズムの奏法を比較し例えるならば「いかに重みをかけるか?」と「いかに重みをかけないか?」という言葉で言い表すことができます。

 

従来の一般的な奏法は、腕の重みを乗せない状態が出発点、すなわち腕が宙に浮いたところで指を動かし、弾くことによって重みを鍵盤に伝えます。

 

ロシアピアニズムの奏法では、まず腕の重みが乗った状態が出発点で、感覚的にはまず腕の重みを100パーセント鍵盤に乗せるようなつもりです。そして実際に弾く時には、指先が浮かないように指先に重さを残しつつ、前腕の下の筋肉から手首でその10020から50くらいの重みだけ乗せるように持ち上げる感覚になります。

 

つまり、前者はいかに乗せるか?後者はいかに乗せないか?という相反する感覚で弾くことになります。

 

違う例えをしてみましょう、人が歩くという事を想像してみてください。

 

ロシアピアニズムの奏法では、人が歩く時に自然に両足を交互に出し、片足ずつ重みを地面にかけるような感覚です。

 

それに対して従来の奏法は、椅子に腰かけ、足を浮かした状態で交互に動かして地面を足でバタバタと触れているようなものです。その状態では腰で足を持ち上げねばならず、腰に負担がかかりますね。ピアノを弾く時も同じで、その場合腰ではなく腕や肩に負担をかけて弾くことになると思います。そして、その負担がかかっている腕や肩が痛くなる人が多いのです。

 

もしも出発点が鍵盤に100パーセント重みをかけて、もたれるところだとすると、まずリラックスした状態になり、その重みを前腕の下の筋肉から手首の下にある腱で支えて持ち上げれば、この上なく楽に弾けるのです。

 

これは全く持って真逆の感覚です。

 

この感覚をつかむまでには相当の時間がかかりますが、それができたときには本当に楽に弾くことができ、楽器と自分が一体になったような感じになります。

 

それゆえ、結果として打鍵と離鍵をスピードが速くなり、響きが豊かに鳴り色彩感が出るのです。



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