「右手の美しさは左手で音楽がきちんと表現されれば、おのずから光を放つ。左手の「縦」=「和声」の響きと同時に、地平線ともいえるポリフォニー的横のつながりを大事に。」-とあるロシア人教師の言葉。ピアノを弾いていると、とかく複雑な動きや美しい旋律を持つ右手に意識が偏ってしまうが、音楽の土台が左手(のパート)にある事を私たちは決して忘れてはいけない。しっかりとした地盤(土地)がなければ、立派な家を建てる事はできない。1階を作らずして2階を作る事は不可能である。

 

 

意思を持って音を出すように。アップライトかグランドかは関係ない。どんなピアノで弾くのであれ、その条件下で良い音を探す。勿論、楽器が良くなればより良い響きを得られるでしょう。けれど肝心なのは、耳で響きを探し、良い音を出したいという意思を持っている事。世の中に悪いピアノはない、悪いピアニストがいるだけだと、私はそう教えられてきましたよ()

 

世の中にはこう言うピアニストもいます。日々たゆまぬ鍛練をする。練習、練習、また練習…そしてステージの上でまで練習してしまう()。これではいけない。そこでは、聴衆に"自分が音楽をどう感じているのか"思い切って示さなければならないのだから。》(中途半端な表現はいけない。感じている事を大胆に出しきらなければ!

 

 

espressivoとは何でしょう?難しい質問ですね()。自分の経験を全て出す。自らの心の状況を音楽に出す。何かを与え、伝える事。私は、それがespressivoだと思う。

 

 

練習の仕方を聴けば、その人がどういう演奏をするかある程度予測がついてしまう。本番前、ただ指を動かしながらガンガン弾いている人は推して知るべし()、楽譜をじっくり見たり、大きい音は出さなくとも弱音で丁寧に弾いている人に、私は可能性を感じます。

 

 

 

鍵盤に指を押し付けたり、上から叩くようなタッチで弾いてはいけません。ヘリコプターは垂直に着陸しますが、旅客機は斜めに降りて行きますね。旅客機の着陸のように。旅客機が垂直に落ちたら大変な事になるでしょう()

 

 

サラバンドのキャラクターはレチタチーフに近い。話しかける、語りかける音楽。ペダルなしで美しく響かせる事ができた時、そのレチタチーフ的なキャラクターがはっきりと感じられるのではないかしら。》(バッハのサラバンドのレッスン中に。勿論、ヨッフェ先生は全てノンペダルで弾きなさい、と指導された訳ではありません。作品に相応しいペダリングを探す、という意味です。

 

 

バッハは楽譜にディナーミクを何も書いていません。だから、あなたがもっと想像力を働かせて、即興するかの如く色々なアプローチの可能性を試してほしい。あなたのアイデアで私を驚かせてみせて下さい!

 

 

 

appassionatoは叫びシモ(※フォルテシモに掛けられたのだと思います)ではありませんよ()。リストの作品になると、ピアノを壊そうとするピアニストが沢山いますね。

 

 

フレーズを論理的に組み立てられれば、たとえ聴き手の好みに合わなかったとしても"ああ、このピアニストはこう表現したいのだな"と言う、あなたの意思は伝わるのですよ。

 

 

ポリフォニーを学ぶには、小さい頃から合唱の中に入って歌う経験をするのが一番良いですね。

 

 

正しいテンポ、正しい脈で弾くと、その作品のキャラクターがはっきりし音楽が生きる。テンポを保つ事がいかに大事か、分かりますか?》(ベートーヴェンのピアノソナタのレッスン中に)










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村