一般的に、本番のために練習をするわけですが、基音で弾くタイプのピアニストは、感覚的に、これはどうしようもないことなのですが、練習した通りに本番で弾こうとしますし、そうでない自由なアプローチは実際に出来ないと思います。

 

これが、倍音で弾くタイプの演奏者の場合、練習で様々な要素をこなしたうえで、いざ本番となると、練習で培ったものを土台に、ステージの上で自由になれるのです。

 

この感覚は、倍音で弾くことを手に入れた奏者しか感じられませんし、実際に経験のできないことです。

 

しかし、そこには大きな危険もはらんでおり、私の場合、もし本番である曲を弾くと仮定した場合、技術的な意味で、基礎工事のようなことを必ずします。その基礎工事をやらないと、手のポジションを手が覚えませんので、手の感覚にポジションを覚えさせて初めて、本番で自由に弾いても、例えやったことがないタッチや、扱いづらい楽器だったとしても、技術的破たんを免れることが出来ます。

 

それゆえ、本番は練習の再現ではなくなるのです。

 






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