私が申し上げるまでもなく、指先は鍵盤との接点です。
指先を置く角度、スピード、狙う深さ、指先を離す角度、スピード、方向など、指先と鍵盤の関係は無限に存在し、奏者は一般に経験から学んでゆくことが多いと思います。
例えば、色に例えるとするならば、と言ってもこれは、失礼ながら、色が見える方にだけ通じるお話ですが、濃い色がほしいと思うと、自然に指の先端を使うようになります。究極的には、指先の肉と爪の間の小さな面積にエネルギーを集約させる場合まであります。
一方、淡い色がほしいと思えば、指の腹を使うことが多くなります。究極的には、第2関節に近いあたりから鍵盤に触れ始め、指先に移動していく場合があります。これを私は、主にドビュッシーで多用することが多く、「フェザー・タッチ」と呼んでいます。
このようなことを改めて考えてみますと、この記事の題名にもしましたが、「指先の魔法」とも呼ぶにふさわしく、「指先の奇跡」といっても過言ではないと思います。
以上、ほんの片鱗にすぎませんが、述べさせていただきましたように、その組み合わせは無限に存在しますし、先に申しあげましたように、音の色が見えるという感覚を持ち合わせていなければ、指先のお話しなど何の意味もないのかもしれませんが、敢えて書かせていただきました。
皆さんも、いろいろ指の角度など、試行錯誤なさってみて、音の色とまではいかずとも、音のキャラクターの変化を楽しんでみてはいかがかと思います。
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