私の生徒が、今日、ポゴレリチを聴いた感想を本人の了解の下、掲載させていただきます。
ポゴレリチ・ファンの方、また、ショパンのピアニズムが現代においては、既に誰にも継承されていないとお考えの方は、どうぞお読みにならないことを強くお勧めします。
イーヴォ・ポゴレリチのリサイタルを急遽聴きに行きました。作品を作曲家から自分の方に引き寄せた独自の解釈は面白く、久しぶりに聴いた第一印象として以前よりもポジティブで明るい方向へと心境が変化していました。シューマンが個人的には特に素晴らしかったと思います。
しかし響きの観点から聴くと、彼はロシアピアニズムの中でもリスト=ジロティの響きで、完全にモスクワの流れが継承されていると感じました。長く聴いていると伸筋打鍵で深過ぎるので側鳴りガンガンで(笑)一音の倍音成分が少なく、結果音色の種類も少ない……。そうなると色ではなく音量で表情変化を付けざるを得ないため調律は狂いやすくなり、ポゴレリチと同じティマーキン門下でもリスト系からショパン系に移行したプレトニョフがいかに楽器を知り尽くしているかよくわかるほど、演奏の判断基準として響きの有無は解釈以前に重要だと改めて痛感しました……。
世間の全てのピアニストは絶対的にショパンとリスト、もっと言えばショパン系ならばジョン・フィールド、リスト系ならベートーヴェン・ツェルニーというピアニストの脈絡から現代に培われてきたピアニズムでピアノを弾いています。
そもそも思うのは、ショパンとリストが目指した方向性が対極的なものだったことを考える必要があると思います。
ショパン系は演奏される楽器を最大限に活かし、音色そのものを解釈とするため、ピアニシモを基調とする哲学。リスト系は響きよりも自分自身を優先するので音量を重視する、つまりフォルテを基調とする哲学。
ロシア系でも現在ではポゴレリチのようにリスト系が圧倒的に多いため、チャイコフスキーコンクール等を聴いていても大きな音やインパクトある演奏が良しとされる風潮ではあると思います。
しかし、今や全世界的に弱音の芸術が少ないのは問題視されるべきだと思うのです。聴衆が本当に惹きつけられ、コンサートが終わっても長く印象に残るのは明らかに弱音の世界であり、そういう意味でプレトニョフや若手ならばダニール・トリフォノフのようなピアニストが絶大な評価を受けているのは大変嬉しいことです。
しかし、ポゴレリチの誰にも真似できない深い作品解釈や洞察力には脱帽します…。

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ポゴレリチ・ファンの方、また、ショパンのピアニズムが現代においては、既に誰にも継承されていないとお考えの方は、どうぞお読みにならないことを強くお勧めします。
イーヴォ・ポゴレリチのリサイタルを急遽聴きに行きました。作品
しかし響きの観点から聴くと、彼はロシアピアニズムの中でもリス
世間の全てのピアニストは絶対的にショパンとリスト、もっと言え
そもそも思うのは、ショパンとリストが目指した方向性が対極的な
ショパン系は演奏される楽器を最大限に活かし、音色そのものを解
ロシア系でも現在ではポゴレリチのようにリスト系が圧倒的に多い
しかし、今や全世界的に弱音の芸術が少ないのは問題視されるべき
しかし、ポゴレリチの誰にも真似できない深い作品解釈や洞察力に
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