このことは私自身、気が付いたら行っていたことの1つです。
普段、耳を優先して弾いていますから、身体の使い方は結果としてそうなっていただけということが多々あります。ふとした偶然から大きな発見につながることの連続といっても過言ではありません。
今日は支点の移動についてですが、弾き始め、すなわち鍵盤に指先が触れる瞬間は、例えて申し上げるなら指先に音符が存在するのですが、指先が鍵盤の底に触れた瞬間に、指先にある音符が瞬時に指の付け根、手首、前腕、そして肘にほど近い前腕の下に移動していることがわかりました。
良い響きを求めると結果として、そうなるのです。
このことは、そうすると良いからするのではなく、良い響きを求めた結果としてそうするのであり、不思議なことに、本末転倒になると良い響きは出ません。
最近思うのですが、いわゆる、「音」で弾いて行くのではなく「響き」で弾いて行くことの重要性を今さらながら感じております。
その「響き」を生み出し、混じらせながら色彩豊かに弾くのがロシアのピアニズムの特徴であり、その「響き」を追って行った結果が支点の移動という答えを導き出したのです。
このブログで何度も申し上げていますので、くどいようですが、日本の一般的な演奏家の演奏や教育現場で教えられ、その結果として行われている演奏は、「音」の並んだ演奏であり、「響き」の演奏ではありません。
このことは好みの問題で片づけてしまってはならない、実は大変、重大なことのように私には思えて仕方がありません。
そのようなピアニズムが我が国においてもスタンダードになる日が来ることを願っております。
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