先日のモギレフスキーとの雑談で感じたことの1つに、ロシアのピアニズムの伝統は確固たるものが築かれているということです。

 

大きく分けて、まず4つの流派があり、そこから流派は細分化されております。

 

例えば、エリソ・ヴィルサラーゼのピアニズムは、日本ではネイガウス流派とされていますが、私個人の個人的な印象としては、ちょっと違うのではないか?と疑問に感じております。

 

ゲンリッヒ・ネイガウスの演奏、指導内容は、基本は深いロマンティシズムにあふれた、非常に抽象的なことを大切にした世界を構築するものであり、それとは対照的にヴィルサラーゼの演奏にあいまいさは感じないのです。むしろそういうものを排除した感覚であると感じます。

 

彼女自身のインタビューでも読みましたが、彼女自身はゲンリッヒ・ネイガウスに師事したわけではなく、ネイガウスの弟子のヤコブ・ザークが先生であり、他にゴールデンヴァイザーやイグムノフの影響も多く受けていると語っておりました。

 

この件についてのモギレフスキー個人の考えは、彼女はネイガウス流派というよりも、あえて言うならば、その後細分化されたザーク流派と言えるのではないか?という見解です。

 

私もこの意見には賛成で、ヤコブ・ザークの演奏を聴いたことがありますが、非常に知性的な演奏であり、彼の師ネイガウスとは全く違う世界を目指し実現しているピアニズムでした。なるほど、ヴィルサラーゼの先生であること感じさせるものでした。

 

とにかく、ヴィルサラーゼがどの流派のピアニズムであるかを感じるのは、人それぞれであり、ここで申しあげたいことではなく、1つの例として取り上げたに過ぎず、それよりも、ロシアにおいての確固たるピアニズムの伝統が築かれているということを申し上げたいのです。

 

その、それぞれの伝統を継承し、世界で活躍する演奏家を数々と生み出してきている事実というものがあり、地理的条件に差はあるとしても、ロシアと日本にピアノというものが入ってきた歴史は、実はそう変わらないというのも事実なのです。

 

日本は何をやっているのでしょうね?





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