ピアノの世界に限らず、世の中の社会というものを広く見たときに、社会的成功に対する欲求、上昇志向の人間は多く存在すると思います。

 

このことは、ピアノを弾いて行く、芸術に携わるという意味では、結果として地位や名声、富がついてくるものであって、それを目的にしてはならない、本末転倒なことだと思うのです。

 

昨今、コンクールが増え、皆、必死に受けまくる風潮があります。

 

このことは、非常に危険なことであり、本来の芸術を追及していくこととは、少々違うことに思います。

 

私は、日々のレッスンの中で、生徒たちがコンクールや試験で良い点を取るためのレッスンはしたいとは思いません。

 

受験や試験をパスするための方法、いわゆる学習塾で教えている「合格するテクニック」のようなレッスンは、芸術の世界においては全く無意味であるとしか思えません。

 

例えば、ある教師のところでは、今年のコンクールで何人も賞を取ったなどということが聞かれることもありますし、またそういう教師を求めて習いたいと思う学生も大勢いいるのが現実です。

 

このことは、私からしてみれば非常に短絡的なことであり、嘆かわしさえあります。

 

一生をピアノと共に過ごすということは、もっともっと地道なことであり、精神世界を追い続けることでもあると思います。芸術に携わる人生の喜び、醍醐味はそこにあると思います。





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