最近のレッスンにおいて、初心に帰って生徒たちに伝えていることの1つなのですが、手のひらの中の筋肉、いわゆるインナーマッスルを使うように指導しています。
このインナーマッスルを意図的に使うようにして弾くのはロシアピアニズムの奏法の特徴であり、それをすることによって、1音1音の響きに密度が生まれ、よく伸びるのです。
具体的に最も意識する点は、指の付けの根手のひら側の筋肉で支えるということです。以前の章でも述べましたが、この筋肉の土台を作るようにすることによって、角張らない、丸みを帯びた深い発声に変わるのです。いわゆる裸の音ではなく、倍音のヴェールをまとった響きになります。その際、指の感覚は「弾く」というより「置く」といった感覚の方が強くなります。
この感覚を知るうえで、1つのイメージなのですが、そこの筋肉で手のひら全体を1,2ミリ持ち上げるような感覚で弾くと理解しやすいようです。
このタッチはあくまでも、基本であり、特に古典に作品には相性が合うように思います。ただ、それではショパンを弾く時に使わないのかと言えば、必ずしもそうではなく、ショパンにおいても使うこともあります。(私のイメージではドビュッシーでは使わないように思います。)
あと、これを教えた生徒たちの多くは、指の付け根の筋肉で支え、そこに手の重みを任せることができるので、手のひら全体が安定し、弾き易いとのことです。
テクニックというものは細分化すると、多くの要素があり、教える私もついつい忘れてしまうことも多くあるのですが、このことについても初心に戻って考えたからこそ、指導することができたことの1つです。自分自身を戒めなければなりませんね。
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