今日は椅子の高さについて申し上げたいと思います。
ここに挙げた動画は、マルタ・アルゲリッチとグレゴリー・ソコロフの演奏です。
私からしてみますと、この2人はテクニックの観点から、ロシアピアニズムの奏法に入ると思います。言い換えるならば、「重力奏法」です。
手首の裏の腱で、手全体を持ち上げていますので、他のピアニズムの奏法とは根本から違い、手全体が高い位置にあります。
その高い位置であっても、手首より肘のほうが上に位置しています。
たまに私の耳にも、私のところの生徒は椅子が高いという、やや悪い意味での噂を耳にすることがありますが、この動画をご覧になれば、納得する方もいらっしゃることでしょう。
それはさておき、このように手首が高い位置にあっても、肘が手首よりも高いということは、椅子の高さもそれなりに高いということが理解できるはずです。
ソコロフのような高さで弾くのは例外的に高いと思いますが、だからこそできること、それはテクニック的な観点からは弾きやすさ、響きの観点からは美しさということが実現可能なのです。
重力奏法を実践するためには、非常に強い手首の腱を持つか、それほど強くない場合においては、椅子の高さから見直すことが必要になります。
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