ネット社会の今、若いピアニストたちの演奏を簡単に聴くことができます。特に日本人ピアニストたちの演奏を聴くことは多く、その演奏の水準の高さ、多くのすばらしい才能を持った人たちがいることはうれしいことです。

ただ、残念なのは、音色の豊かさという観点から聴いたときに、色彩感豊かに弾いている人は多くはありません。

我が国の才能あるピアニストたちが、より素晴らしい演奏ができるようになればと思います。

このことは、思うに、音に対する感受性がどれだけあるか?ということではないかと思います。

私事ですが、まだ小学生だった頃、いわゆる「珠玉のピアノ名曲集」といったレコードを聴いている次元の頃です。レコードから聴こえてくる音と自分の家のアップライトピアノの音の違いに気が付いたものです。レコードから聴こえてくる豊かな低音の響きは、我が家のアップライトピアノからは、どうやっても出ないと思ったのです。当たり前と言えば当たり前のことなのですが、10歳に満たない幼い私にしてみれば大きな発見だったのです。

その後、音大生の時です。ラフマニノフのコンチェルトのある部分のメロディー、5の指の連続で弾いて行くのですが、レコードで聴くアルゲリッチやホロヴィッツのように、どうやってもそのメロディーが表情豊かに歌わないことに気が付いたのです。

思えば、その時にホロヴィッツやアルゲリッチと自分のテクニックが根本的に違うのではないか?と思った最初の経験だったのかもしれません。

その後、ザルツブルクにて、ニコラーエワ先生の音を生で聴くことになるわけですが、その経験があったからこそ、いばらの道に進む決心がついたと言えます。

以上のような経験は、音に対する感受性が、幸運にも少しは持っていたから発見できたことであり、その発見がなかったら、今の私はいなかったでしょう。先に挙げた、日本の若い才能あるピアニストの皆さんも、音に対する感受性を持っているとすれば、将来、より素晴らしい演奏ができるようになることでしょう。

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