このようなことを申し上げるのは、少々、迷いがあるのですが、現実は現実なので、皆さんにお伝えしなければならないことがあります。
私の留学時代も同じでしたが、モスクワ音楽院に留学を考えている方、ヨーロッパの講習会でロシア人の先生に習いたい方、そのような方は増えているように感じます。
もちろん、皆さん素晴らしい先生だと思いますし、ある意味で素晴らしいレッスンが受けられて、実り多い経験となるでしょう。
そのような方の中で、もし?本当にロシアピアニズムの奏法を根本から学びたい!ロシア独特の美しい響きが出せるようになりたい!とお考えの方がいらっしゃるとすれば、私はモスクワ音楽院に留学することやヨーロッパの講習会に行くことは、正直お勧めしません。
100パーセントとは申しませんが、その殆どの先生方のレッスンにおいて、テクニック的なことに言及、問題がある事に対しての言及はあると思いますが、その方法を根本から教えて下さる先生はいません。残念ながら、これは現実です。
私の留学時代に出会ったバシキーロフ先生やニコラーエワ先生、ドレンスキー先生を始め、その後に出会ったヨッフェ先生、マリコヴァ先生などなど、皆、奏法は教えません。
このことは、常識と言っても過言ではなく、それを期待して留学や講習会を受けるとがっかりすることになります。
いわゆる、基礎の段階のことは出来ていて当たり前のことで、そのような著名な先生方は、そのような基礎が出来ている生徒に対しては、それに基づく音楽的なレッスンをしてくださいますし、その基礎が出来ていない生徒に対しては、それなりのレッスンしかできないのが現実なのです。
ですから、私の生徒たちに対しても同じことが言えますので、留学を希望する生徒に対して、私がまず徹底的に基礎を教えて、ある程度できた生徒にのみ留学を許しています。そうでなくては、せっかく留学、講習会を受けに行っても無駄だからです。
夢を壊すようなことを申し上げることになってしまい心苦しいのですが、これが現実なのです。
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