今から1か月前のことです。某音大付属高校を受験する中学生が、人を介して初めてレッスンに来ました。
最初に演奏を聴いて思いましたのは、このまま受験しても絶対に受からないということです。
それは、技術的に16分音符が弾き切れないのです。なぜならば、従来の弾き方である「指弾き」で弾いており、彼女の手の性からすると、不可能だったのです。
私は思い切って、根本のテクニックを変えるよう指導を試みてみました。本来ですと、多分2,3年はかかることを1カ月でなんとかならないものだろうか?とダメもとで始めました。
最初の3回ほど連日でレッスンをし、その後、週2日ペースでレッスンを行いました。その間、慣れないこともあり、出来たり出来なかったりと紆余曲折しましたが、あっという間に受験を迎えることとなりました。
結果は、見事合格できました。
振り返ってみて思うのは、まず第1に、本人の努力です。
藁にもしがみつく思いでレッスンを受け、毎日練習に励んだことにより、根本からテクニックを変えることを、たったの1カ月で成し遂げたられたことです。この頑張りと、そして、ある種の才能と言えるかもしれませんが、その私の教えに対する理解力の深さではないでしょうか?
「指弾き」から「重力奏法」へ変えたことにより、合理的で楽な弾き方を実現、身につけることが出来たとともに、基本の発声も全く違うものになりました。
生まれつきの手の性によって左右されてしまう、従来の弾き方、また、それに伴う練習の仕方を実践しても、ある一定のレヴェル以上弾くことは出来ない事実というものがあるのです。
日本全国のピアノを勉強している子供たちが、ピアノが好きにもかかわらず、これ以上弾けないということに、本人の努力ではどうにもならない部分、本人よりも指導者である私たちが、日々、勉強、模索を続けながら、より良い指導が出来なくてはならない大切さを感じました。
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