私の友人であり、恩師とも言えるディーナ・ヨッフェ先生のことです。
ディーナ先生は、そもそも政治的な理由から第10回ショパン国際コンクールにおいて、第3次予選までトップの成績だったにもかかわらず、本選の結果、第2位に終わり、その後もユダヤ系という理由がために、当時のソ連当局からは出国の許可が下りず、世界的な演奏活動が出来なかったこと、ペレストロイカ以降、ロシアを後にしますが、持ち出せるものには制限があり、愛用の楽器も手放さなければならなかったこと。そして何よりも、母国と母国語を捨てなければならなかったことは、本当に想像できないほど辛いことだったと思います。
現在はドイツに住み、毎年来日され、拙宅へもかならずいらして下さるのですが、今年は何やら大忙しな様子。
ヨーロッパに於いて一番大きな夏期講習会と言われる、ザルツブルクの夏期講習会に講師として招かれたこと。来月の浜松国際コンクールの審査員に招かれていること。そして、12月には、なんと!なんと!あのニューイヤーコンサートの舞台である、ウィーンのムジーク・フェラインにおいてベートーヴェンのコンツェルトを弾くことになったのです。
この何十年もの間、ディーナ先生は、ご自身の不遇な境遇に耐えながらも、ひたすらご自身の勉強を貫かれ、頑張ってきたと思うのです。それが、今60歳を前にして(推定)、ディーナ先生の実力が認められ、色々な催しに招かれるようになりました。
これは私にとっても大変嬉しいことであり、真の実力者であり芸術家であるディーナ先生が認められたということだと思います。
人生は分からないものですね!!!
にほんブログ村