ピアノという楽器には、音が一番響く、響きが膨らむ、音のツボというのが、たった1センチの鍵盤の深さの中にあるというのを感じます。

これは、メーカーや整調の状態により左右されると思いますが、私が感じるには、ノーマルに整調されている場合、基本的にハンブルク・スタインウェイは鍵盤を押し始めて3、4ミリの上の方に音のツボを感じます。これがヤマハの場合、それよりも深く6,7ミリの下の方にあります。(と言っても、実際には一瞬、鍵盤の底に触れるのですが)



もちろん、作曲家や作品によっても違うのですが、欲しい音によって、鍵盤の上の方を狙って音を出したり、意図的に下の方、または底を狙って音を出すということをしますと、音色が変わります。また、鍵盤を押すスピードも重要で意図的に速くしたり、遅くしたりすることも音色の変化に影響します。



例えば、スタインウェイでショパンの作品を弾く時には、基本的には鍵盤の上の方を狙って弾くと、ショパンにふさわしい響きが出るように感じます。具体的には、指の付け根の関節から第2関節の間の内側の筋肉、屈筋を緊張させ、その筋肉で、手全体を持ち上げるように、持ち上げた状態にします。ちょうど、バレエ・ダンサーがつま先で立つのに、腿やふくらはぎの筋肉で身体を持ちあげるのに似ています。



そうすることにより、手のポジションが、全体に高めに位置するのが基本となります。



これが、ヤマハを弾く場合ですと、同じように持ち上げるのですが、スタインウェイと違い、鍵盤の中で(スタインウェイより下で)、同じようにすると、ヤマハという楽器で出る一番ショパンらしい音が出ると思います。



ですから、普段ヤマハで練習している生徒が、同じ感覚でスタインウェイを弾いてしまうと、いわゆる、音のツボの点を捉える事が出来ません。その場合、普段より意図的に持ち上げて、鍵盤の上の方で弾くことが大切です。



ただ、ここまで申し上げたことは、便宜上の具体的な説明ですので、本来は耳で、音のツボを探り当てて、無意識に手を使い、鳴らせるようになることが理想です。

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