ロシアピアニズムの教師が、ドビュッシーについて語ることに違和感を感じる方は多いと思います。

前の章でもお話ししましたが、ロシアピアニズム(奏法)=ロシアの作品ではありませんし、現代の完成されたピアノの魅力を最大限に引き出すことが出来る奏法であると思っております。

この奏法を身につけて、変わったことの1つに、ドビュッシーに興味が持てるようになったことです。

私は、もともとドイツ・オーストリア作品やショパンの作品に惹かれていましたので、正直、フランス作品を弾いても聴いても、私の琴線に触れることはなく、さほど執着もなく、日本の学生時代にフランス作品を勉強しても、どこに良さがあるのか?さっぱりわからなかったのです。(笑)



しかし、奏法を変えたことにより、フランス作品、中でもドビュッシーを弾くことが楽しくなりました。

以前の奏法では、基音を基本としてピアノを弾いていたので、ドビュッシーの意図した響きの世界が実現できなかったと思います。

それに対して、今の奏法では、倍音を基本に弾きますので、響きを混ぜ合わせる感覚で弾くことが可能となり、ドビュッシーの音楽の本質が見えるようになったのです。



ドビュッシーの音楽の魅力は、1つ1つの音の粒が並んでも描けるものではありません。1つ1つの音の粒ではなく、響きが混ざり合った時に美しいのです。以前の奏法では、1つ1つの粒になってしまうか、ペダルを踏んでも、美しく混ざるというより、汚く濁ってしまったのです。ですから、ドビュッシーに興味が湧かなかったのです。要するに弾き方がわからない、理想の形が見えてこなかったのです。



それに対して、今の奏法では、なるほどドビュッシーの描いていた世界はこれだ!と確信できる、手ごたえを感じることが出来るようになったのです。



ロシアピアニズムの奏法のピアニストも、好んでドビュッシーを弾いています。例えば、スタニスラフ・ブーニンの父親である、スタニスラフ・ネイガウスは素晴らしいショパン弾きと同時にドビュッシー弾きだと思いますし、ダン・タイ・ソンのドビュッシーも素晴らしいと思います。

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