作品10-10 変イ長調
この曲を弾くとき、分散和音を摑んでしまうということになってしまうのではないでしょうか。その陥穽にはまってしまうと、手のひらから前腕まで力んでしまい、最後まで弾ききれません。ですから、この音型は摑むのではなく、随時5の指の打鍵の時に腕の重みを手首から逃がすことです。それにより疲労感無く、楽に弾けるようになります。
第1小節、1拍目。Asの音は1の指の付け根の手首の辺りで前腕を下から持ち上げるように支えます。そして、1の指を手首からそっと鍵盤に置くだけで音を鳴らします。次にC-Asの6度ですが、Cの2の指はもっと触れるだけ、そして上声部のAsは下に向かいながら斜め前に打鍵し、その瞬間に手首の1の指の付け根から腕の重みを逃がします。
基本的にはこの小さな動きで弾いていきます。決してトレモロを弾く時のように手のひらを左右に振りすぎないことです。
45小節から49小節のクレッシェンドは右手ですると力んでうまくいきません。ここは左手の内声、1の指がクレッシェンドの役割を果たします。
B、B-C、C-Ces、Ces-D、D-Des、Des-Fes、Fes-Es、Es-Fis、Fis-Gのラインです。
左手の基本は、手のひらの左右の重心が1の指に感じることです。そうすることにより、必然的に5,4,1の指の響きが豊かになり、手首の回転運動が生まれ美しいハーモニーとともに音型のラインが浮かび上がってきます。
再現部に当たる、第55小節からはⅠ度第2転回、属7、Ⅰとなっていますから、これを意識するべきでしょう。
にほんブログ村