作品10-9 ヘ短調
この練習曲は、左手の5の指から1の指への幅広くすばやい動きが要求されます。そのために、3の指か4の指にあたるCの音に重心を置き、その指を軸にして5の指から1の指へ向かって押し出すように手首の回転で弾くようにします。指をバタバタさせるのではなく、鍵盤に吸いつけて撫でるように弾きます。左手の表情が平坦にならずうねり狂う波のような表現をするためには、うねりを指でつけるのではなく、重さのかけ具合で調節するように意識しなければいけません。
左手が滑らかに演奏できるようになったら、右手のメロディ-ラインです。単音とオクターヴだけという非常にシンプルなものです。しかしレガートスタッカートになっているところに注目しましょう。これはレガートを響きで作る練習です。
レガートスタッカートを指先ではなく、手首から先全体を使って弾きます。手首を柔らかくし、様々な角度から打鍵することで一つ一つを違う音色に響かせ、響きの中でレガートするように意識します。耳は打鍵した瞬間の音ではなく、延びている響きを聴かなければなりません。
最後の2小節(65~66小節)の音型は、手の重さを羽のようにして鍵盤の上半分で弾くようなイメージを作ります。そして小指のほうに重心を感じながら、手首から外側に回転させるように弾きます。その際、親指は鍵盤にほとんど触れているだけです。そしてペダルによって生み出される響きを注意深く聞きましょう。
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