作品10-7 ハ長調
この特殊な右手の音型は、色々な弾き方があると思いますが、私自身最も弾きやすいと思うことを述べていきます。
まず、第1小節、上声部G-C-As-D-F-Hですが、まず手の配置から考えなければなりません。1拍目のE-Gの3度を弾く時、1の指の付け根の手首の部分を下から支えながら、手首を右斜めに少しだけ回転させた状態にします。そうすることによって、Eの音よりGの音に重みが乗ります。そして、鍵盤に触れるだけで音を鳴らしてしまいます。次の音E-Cの6度ですが、Cの音を弾く5の指の打鍵に気をつけます。下に弾くというよりも右斜め前方に手首から置きます。これがこの音型の弾き方の基本です。
ただし、強拍であるGから次のCと言う意識で弾いていくと、まだ弾きづらさを感じると思います。そこで発想の転換をしなければなりません。2つ目の音Cから3つ目の音Asにつなげていくように意識をします。言い換えれば裏の音から表の音につなげてゆくという感覚です。不思議なことに、そうすることによってより弾きやすくなるはずです。
下声部のE-E-F-F-D-Dですが、それぞれ2-1の指で弾いていくと思います。その際、2は置くだけ、1は上声部と同じく、手首の付け根から右斜め前方に置きます。しかも2と1は塩をつまむように近づけて、小さな動きで弾くことです。
第17小節から第23小節の左手の表現は、易しいようで意外に難しいのではないでしょうか。手のひらの左右の重心を、外側に保たなければ深いバスの音が出ません。左手も右同様に1の指の付け根の手首の辺りを下から持ち上げるように支えなければなりません。

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