※この記事の続きで、夫が書いています。
アイラ島旅行2日目もひたすら蒸留所を巡ります。まずは宿のあるボウモアのボウモア蒸留所へ。
ショップに入るだけでも一応予約が必要です。通常であればカフェで牡蠣のボウモアがけが楽しめるようですが、残念ながらコロナの影響でカフェは閉鎖中。ビジターセンター付属のバーも閉鎖ということで少し残念な気持ちになりそうでしたが…
"試飲"はオーケーなようです。普通に一杯25ml頂けました。この辺はルールの文面外を柔軟に適用してくれるイギリスの優しさですね。海の見える素敵なギャラリーでゆっくりと"試飲"を楽しませて頂きました。貸切状態だったのでソーシャルディスタンスも安心です。
ここで頂いたのは12年、18年、蒸留所限定の20年の三杯、まだ午前中ですが一日目同様ガンガンいきます。
ショップではハンドフィリングのボトルが欲しかったのですが、8月に売り切れて以降補充していないとのこと。コロナで客足も減っているので仕方ないですね。代わりに試飲した蒸留所限定20年もの、DAVID SIMSONを購入しました。いいお値段でしたが、エレガントな香りと重厚な余韻に惹かれてしまいました。
次はこの旅のメインターゲット、Ardbeg蒸留所です。12時からのThe Warehouse 3 Tasting Experienceに申し込んでいたので、タクシーで急いで移動です。
入り口ではポットスチルのモニュメントがお出迎えしてくれます。ちなみに、アイラ島ではこの時期停電が多いらしく、このタイミングで蒸留所も停電になっていました。強風で電線が倒れるらしいです。よくあることなので従業員の方も手慣れており、停電のままテイスティングが始まりました。
The Warehouse 3 Tasting Experienceの名前のとおり、熟成庫のなかでのテイスティングです。毎年1000樽近く蒸留しているらしく、圧巻の樽の量でした。
ここでのテイスティング内容は以下の通り。分量はお姉さんの手加減、たぶんシングルくらいです。
・フィノシェリー 1st フィル10年 シングルカスク
・バーボン 2nd フィル19年 シングルカスク
・スーパーノヴァ2014
・アーリーヴェルデ
・ダークコーブ
・Arrrrrrrdbeg!
The Warehouse 3 Tasting Experienceですが、6種類も出てきます。内容は固定ではないようですが、量がかなりあるので申し込む方は注意してください。全部50度くらいあります。Ardbegのみオンラインフォームではなくメールでのみ申し込みを受け付けています。
Arrrrrrrdbeg!以外は初トライだったのでラッキーです。これでArdbegDay以降のアードベックデイ限定ボトルをコンプリート出来ました。
また、シングルカスクの2つはArdbegファンであればとても勉強になります。Ardbeg 19年は1stではダークチョコレート、今年の3rdではライムが大きな特徴と言われていますが、それぞれの構成要素がこの二樽でよく分かります。
フィノがダークチョコレートの要素、
バーボンがライムの要素を構成しています。
それぞれ特徴が強く出過ぎているので単品のウィスキーとしては好みが分かれるかもしれませんが、Ardbegを理解する上では最高に価値のある経験でした。1人75ポンドしますが、これに申し込むようなArdbegファンの期待に完璧に答えてくれるテイスティングツアーです。日本から訪れるのは大変ですが、心の底からオススメしたいです。
ショップでは直近の限定ボトルに加えて、様々なグッツが売っていました。ボトルは全て未開封のものを所持していたので、ボトルは買わずにマフラーやArdbegの歴史書などのグッツをがっつり購入しました。全て並べたら怪しい祭壇の出来上がり。
ツアーの参加者と意気投合したので、最後の目的地ラフロイグへはみんなで歩いて行きました。こっちはドリンクからのこんなノリが多いです。途中のラガヴーリンまでで、20分、そこからラフロイグでさらに20分くらい歩きます。
こちらもバーやカフェは閉まっていますが、"試飲"は出来ます。ソファーに座ってゆったりと、10年とCÀIRDEAS PORT & WINEゆったり、加えて10年のカクスストレングスのバッチ10と11を頂きました。ここではバッチ10を購入、流石にこれで買い止めです。
三日目の日曜日は蒸留所が開いていないのでタクシーで観光です。
ボウモアにある丸い教会や、フィンラガンという湖の島の城跡を見てきました。
前日の雨で遊歩道が冠水しており、島には渡れませんでした。
ロンドンにいれば大概のウィスキーが手に入るので、わざわざ製造現場の島に行く価値があるか悩んだこともあり、アイラ島を訪れるのがギリギリになってしまいました。(日本でも相当な種類が手に入りますよね)
しかし、実際に行ってみると最高に価値のある経験でした。貴重な一杯に出会うこともできますし、島の風土を思い出しながら飲む一杯は格別です。
熟成は各地の倉庫で分散して行うので島の空気の影響は"気のせい"という話もありますが、少なくとも私の愛するArdbegは島の空気を吸いながら熟成されています。目視確認済みです。
ウィスキーの、それもアイラウィスキーのファンでなければ旅先の選択肢には絶対挙がらないでしょうが、そんな極一部の人にとっては掛け替えの無い価値のある島です。
この記事はすでに帰国して隔離ホテルから書いていますが、アイラ島とイギリスでの日々を想い出して、乾杯!
【読んでくださりありがとうございました】