翌日
藍湛のいるショーウィンドウに
ボディーが運び込まれ
衣装の着付けが始まった
完成したのは・・・
赤い房の付いた
黒い笛を持ち
藍家の規則に反する座り方で
こちらを見つめるのは
「よう! 藍湛!」
私の愛する魏嬰だった💖
私の手の届くところへ来てくれた
白い肌が覗く胸元
艶やかな唇
吸い込まれそうに深い緑の瞳
16年もの間
手が届かなかった愛する人が
今、目の前にいる
向かいのドールショップの人形が
仲良く寄り添いながら
こちらを見ている
君たちのお陰なのか?
俺が殿下を800年待ったことに比べれば16年なんて大したことではないが
殿下の頼みだ。
子の刻まで待て!
紅い衣の隻眼の男は
そう言いながら
パチンと指を鳴らした
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その日の真夜中
「藍湛!体が動くよ!」
『ああ、不思議だ
子の刻まで待てと言うのは
このことだったのか!』
藍湛は琴を弾き始める
魏嬰も陳情を用意し
藍湛の琴の音に合わせて
吹き始める
藍湛人形と魏嬰人形は
向かいの二人同様
夜になると動けるようになり
時には
人の姿になって
愛を確かめ合えるようになった
wǒ ài nǐ (うぉ-あいにぃ)
我 爱 你 (愛してるよ)
wǒ yě ài nǐ (うぉ-いぇあいにぃ)
我 也 爱 你(俺も愛してる)
エピローグ
ある日の二人
『ん?』
『魏嬰起きなさい!』
「眠いよ・・・」
『落書きしかしてないではないか
🐕ワン🐓ジー(鸡)?』
「へへへっ」
「そんなことより
俺たちには貴重な夜だ♥」
そう言って魏嬰は
悩ましい流し目で
藍湛を誘った
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