この物語は、BL創作物語です。
登場人物は実在人物とは無関係です。
不思議なお話なので、細かいことは
あまり気にせずご覧ください(^^)
10月〇日〇曜日
そこは"いわく付き"の売り出し物件だった
「・・・か・・・」
「誰か・・・」
「助けて・・・」
どこからか
か細い声が聞こえてきた
その頭の中に響くような声をたどりながら
各部屋を探し歩いた
そして振り向くと!!!
助けを求める霊の姿が見えた
怖い!
「僕には何もできないよ!!!」
震える手で職場に電話をかけ
事情を説明する
すると
驚くこともなく
とにかく
霊の話を聞くように指示された
どうやら珍しい事ではないようだ
僕は恐る恐る霊に尋ねる
何か言いたいことがあるのかと
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心残りが多い霊や
恨みを強く持つ霊は
成仏できず
そこから動けなかったり
さまよっているという
それらは
普通の人には見えないだけで
そこら中にうようよといるらしい
僕は ある日突然それが
見えるようになってしまった
不動産会社に入社して
初めての視察のことだった
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「そうだったんだ・・・
突然見えるようになるんだね
」
『うん、君の誕生日以降に突然・・・
それまでは全く見えなかったのに』
「なに?
そんでもってその不動産会社
主にいわくつき物件を
取り扱ってるの?
霊の声を聞いて
成仏させて売り出すなんて
えらいとこに就職しちゃったね
」
「しかも会社名が
【陳情】って😅
怖いけど笑っちゃう
」
「でも、もしかして、
ここにも いるの?」
『いるよ~!そこら辺にうようよね~
でもね 幽霊の中には
自分が既に死んでることに全く
気づいてない人もいるみたいだよ』
「うちの親に君のその力の事を言ったら
益々反対されそうだね・・・
それでなくても二人が付き合うことに
反対なのに・・・」
「僕の誕生日に
二人で実家に挨拶に行って以降
両親からはずっと無視されてて
最近は実家に帰ることもやめてる」
『そうなんだ~! 僕も同じ~
家族みんなから無視される!!
仕方ないね、まだ世の中には
なかなか理解してもらえない』
「でも僕の気持ちは変わらないから」
そう言ってGGは
くりくりした目で僕を見つめた
僕はそれだけで
ホッとした
それは家族の問題はもちろん
霊が見える恐ろしさだ
手をつなぐと安心できる
GGの笑顔と存在は
僕を守ってくれる天使のようなもの
彼さえいれば何も怖くない
11月〇日〇曜日
僕がヘッドホンで音楽を聴いてるのを
GGが後ろからじっと見つめていた
そのことがなんだか嬉しくて
しばらく気づかないふりをした
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それでもGGの顔を見たくて♥
我慢できず 振り向いた
嬉しい気持ちを抑えながら
僕はGGに尋ねた
『なんで声かけずに
ずーっと見てたの?』
さらに彼に触れたくて
ヘッドホンを彼に
付けてあげようとした
『これいい曲だよ!
聞いてみる?』
するとGGは
不思議そうに僕に聞いた
「ヘッドホンで音楽聞いてたのに
どうして僕がずっと
後ろから見てることが
わかったの?」
『”霊”が教えてくれた!
「あなたの好きな人が
うしろでずーっと見てるよ」って』
最近よく現れるおませな少女の霊が
こんなことまで教えてくれる
ちゅっ♥
「あ、これもみんな見られてるってこと?」
『そうだよ、いいじゃん、見られたって
誰にも言いつけたりしないよ!
その子はBL漫画【天官賜福】や
【魔道祖師】が好きなんだってさ!
だから 僕たちの事は応援してくれてる♪』
『だから、もう一回
ポッポして!』
*「ポッポ」は韓国語でチューのこと
「だーめ!」
霊が見え始めてからも
僕たちはこうやって
平凡で幸せな日々を
送っている♥
成仏できない霊には申し訳ないけど・・・
つづく




































