この物語は 台湾映画「言えない秘密」のリメイクのファンメイドドラマをさらにリメイクさせていただきました。
ファンメイド作品は最終話のあとに紹介させていただきますのでお楽しみに<(_ _)>
＊いつものように簡単な中国語を入れます。
中国語を知らないけど、中国ドラマをよく見られる方は
一つでも聞き取れると楽しいので
一緒にちょっとだけ覚えませんか(*^-^*)
なお、日本語にない発音は
”〇と〇の間の発音”って意味で 二つ書いてます。
ショウ役：シャオジャン
ヒロ役：ワンイーボー
プロローグ
ある音楽学校
その歴史ある校舎の音楽室で
一人の生徒が不思議な楽譜を見つける
【secret】
そう書かれたその楽譜を開くと
≪楽譜をたどれば
一目で運命の人と出会える≫
と前書きされてあった
秘密・・・運命の人？
随分古い楽譜のようだ
彼はその楽譜に導かれるように
ピアノを弾き始める
１９９５年
音楽室のある旧校舎には
１００年の歴史がある
しかし 老朽化により
卒業式の当日に
取り壊されることになっていた
今は使われていないはずの
その建物から聞こえるピアノの音
転校して間もないヒロは
音のする方へと向かう
音楽室に辿り着く前に
曲が終わった
ヒロが音楽室の扉を開けると
そこには古いグランドピアノがあった
ヒロはそのピアノに引き寄せられる
ポロロン
ヒロの指が鍵盤をたたいた
コトン
音がした方を見上げると
踏み台に上った一人の青年が
本棚に楽譜を立てかけていた
『さっき、君がピアノを弾いてたの？』
「うん」
『とっても良かった』
「ありがと」
そう言って その青年は微笑んだ
キーンコーン
カーンコーン
始業のチャイムが鳴り
慌てて教室へ戻るヒロ
その後ろ姿を笑顔で見守る青年
教室では既に授業が始まっていた
通路から教室を覗き込むあの青年
ヒロは最前列の席で
授業を受けていたが
通路の青年に気づく
その青年は
後ろの入り口から静かに入り
一番後ろの席に座ってヒロを見つめる
振り向いたヒロは彼と目が合い
向き直ってふっと笑顔になる
授業が終わり
歩いていく青年を通路で呼び止めるヒロ
děng yī xià （ど(で)んい-しゃ-）
『等 一 下（ちょっと待って）！』
振り向く彼
『君の名前は？』
だが
先に答えたのは同時に振りむいた
横にいた女子だった
まだ転校してきて間もないヒロに
「あなたに言ってなかったかしら？」
という女子
その向こうで
ちょっと残念そうに立ち去ってゆく青年
「私はユリよ！」
『あ・うん』
彼の名前を聞きたかったのに・・・
つづく
