この物語は 創作であり 登場人物は
実際の人物とは 全く関係ありません。
僕たちの関係は
順調かと思われたが
有名になるということは
なんでもかんでも注目される
皆の関心事であるスキャンダルは
報道関係者にとって
絶好の餌となる
自分たちは気にしないつもりでも
事務所にとっては死活問題
事務所側から GGとの関係を指摘され
記者会見では
事実無根だと発表するしかなかった
僕が苦悩してると
事務所の先輩からも
自分の芸能人生を考えるなら
GGのことは諦めるように言われた
ライバルばかりのこの業界で
せっかく苦労して積み上げた地位を
個人的な感情だけで
わざわざ手放すのはバカだと・・・
過去にも
同じようなことがあり
ファン同士の過剰な衝突により
責任を取って
しばらく活動停止することを
余儀なくされた俳優もいると・・・
ファンのために
活動停止せざるをえないなんて・・・
俳優を応援すべきファンが
その俳優の足を引っ張ることになるなんて・・・
本末転倒だ!
なぜ 温かく見守ってくれないのか?
不条理な世の中に
口惜しさが込み上げる
GGは
とりあえず世間が落ち着くまで
様子を見ようという
大丈夫! 会えなくたって
僕の気持ちは変わらないよ
忘れないで
永遠に君を愛してる
そういいながらも
GGは複雑な表情をしていた
あれからは
たとえ 同じ仕事が重なっても
遠くから目を合わせるだけで
僕たちは言葉を交わすこともなく
淡々と仕事をこなすしかなかった
そんなある日
普通車がトラックに追突される事故があった
車は激しく横転
その車に乗っていたのは
現場へ移動中のGGだった
僕は友人経由で連絡をもらった
慌てて搬送先の病院に駆けつける
そこで見たものは
傷だらけの痛々しいGGの姿・・・
彼のマネージャーからは
すぐに報道陣が駆けつけるから
来られては困ると言われ
後ろ髪惹かれながら
病室を出た
とりあえず症状を確認するまでは
帰らない!というと
医師の元へと連れて行ってくれた
医師からは
命には別状ありませんが
ただ、頭を打っているので
今の段階ではなんとも言えません。様子をみましょう。
命に別状ないとの言葉で
一安心したものの
今後 お見舞いにも来れないことが
悔しくてならなかった
傍にいてあげたいのに・・・
つづく