伴侶動物、愛玩動物、ペット等、言い方はいろいろありますが、我々人間は動物と一緒に生きています

その中でもっとも一般的なのは犬、そして猫の2種類

しかしながら伴侶動物として飼育されている動物はそればかりではありません

大小の哺乳類はもちろん、インコなどの鳥類や、カメなどの爬虫類、金魚など魚類、カエルなど両生類、カブトムシなど昆虫類、ザリガニや、さかなクンの中学校ではカブトガニ飼っていたそうですし

およそ飼育されてない動物などいないんじゃないか? というほどです

中には市販のウズラの卵を孵化させて飼っている人もいるとかなんとか。ある程度の割合で有精卵が混じっているそうです

こういった犬・猫以外の動物を全部ひっくるめて「エキゾチックアニマル」といいます

今回はそんなエキゾチックアニマルのお話

本当は一口にエキゾチックアニマルと言っても様々なくくりがあるんですが、そのなかでも一番広い定義で進めます

 

 

エキゾチックアニマルと一口に言ってもその中でも多いもの少ないものがあり、やはり多いのは小型哺乳類、そして鳥類、次いで爬虫類かと思われます

小型哺乳類の中にはウサギがいて、モルモットがいて、フェレットがいて、あるいはフクロモモンガがいて

これらはそれぞれウサギ目(もく)、ネズミ目、ネコ目、双前歯目(有袋類の一種、コアラやカンガルーと比較的近縁)と全く違う動物です

ミニブタというのもいますが、最終的には体重50kgほどまで育つので思ったよりミニではありません。ちなみにブタはウシ目に含まれます

ハリネズミがブームという話も聞きます。名前はネズミですがまた別のハリネズミ目を作ります

 

いきなり出しましたがこの「目(もく)」、生物の分類上の区分です。「科(イヌ科、ネコ科など)」と「綱(哺乳綱=哺乳類など)」の間に入ります

犬や猫は当然ネコ目に含まれるので、そういった意味ではフェレットは比較的近縁ですが、それでもウシとブタ、あるいはヒトとオランウータン、またはそれこそ犬と猫ほどの差はあります

これがウサギでは目が変わり、形態や食性が大きく変化します。さらに鳥類や爬虫類になると繁殖や体温調整、心臓の形まで異なってきます

飼育に当たってはそういった動物ごとの特性を理解し、適切な環境やフードを用意する必要があります

 

また、こういった動物はストレスに非常に弱いことがあります

びっくりしたウサギが宙を蹴り、その勢いで骨折してしまうこともありますし、鳥類にいたっては、体調が悪いと大勢が囲んで見ているだけで死んでしまうこともあると言われています

犬や猫は捕食する側で、飼育されているエキゾチックアニマルの多くは捕食される側ということが関係しているのかもしれません

また犬や猫は人間と生活を始めて数千年、数万年を経ていますが、こういった動物はせいぜいが数十年、数百年であり、人間と共存するということに種が慣れていないのかもしれません

こちらについても結局は適切な環境をというのが第一で、一方で可愛さにかまけて無遠慮に手を出しすぎないという人間側の自制心も必要でしょう

 

 

さて、こういった特性や性格の違いは飼育する際も気にする必要がありますが、病気になってしまったときに大きな問題になりえます

例えば薬。人間と犬・猫の間どころか犬と猫の間にも作用副作用の差があるのに、全く別の動物ではその違いは計り知れません

例えばそのあまりの繊細さは、通院や知らない人間に触られること(獣医師の診察)でさえも負担になってしまいます

加えて、世界的に見てもエキゾチックアニマル診療はまだまだ手探りの状態です

集約的な研究が多くない以上限られた文献と経験を元に行うしかなく、当院をはじめ診察自体をお断りさせていただく病院や、あるいは診察は可能でも処置に限界がある病院も多いものと思われます

珍しさと、犬や猫には無い可愛らしさで魅了してくるエキゾチックアニマル

飼い始めるときは生態や飼い方はもちろん、近隣にその子を診察できる病院があるかどうかまで調べてあげてください

 

ヘビを可愛いというと家族から白い眼で見られる獣医師 竹藤でした