鎮守府将軍のブログ

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先日のエントリーでは、
論文の作成前に理解しておくべき、
「前提」を書きましたが、
「論文とはどのようなものか」を理解したところで、
今度は論文を実際に作成する為の手順について書きます。

単純な必要性という意味から、
主に、卒論を作成する学生に向けてになりますが、
基本的に研究者の行う手順はほぼ一緒です。

1.
「研究テーマの決定」

論文を作成するには、まず
「研究テーマの決定」から始まります。
先のエントリーでも触れましたが、
論文の価値というものは、
どのような問題を研究テーマとしていて、
そこに独自性と新規性があるかによって決まると書きました。

ともかく、まず先に来るのは「研究テーマ」となる訳です。

テーマの決定にあたっては、
できるだけ範囲を狭め、焦点を絞るというのがポイントです。
極論、論題だけで研究内容が理解できるというのが、
原則であり、また目指すべき形なのです。

そして、テーマの選択の時点でうまくいけば、
文献や資料の収集も楽になるし、
研究の内容もスマートかつ濃厚なものになるでしょう。

もちろん、執筆には時間的な制限がありますので、
身の丈に合わない壮大なテーマを選んでしまえば、
研究が終わりを迎えない、執筆が終わらないなんて事になりかねません。

テーマ選択のポイントは、
①自分が興味や関心をもった問題であること
②十分な文献や
資料があること
③与えられた時間内に研究が終えられること
④自分の環境(能力や協力者)で進められること
などを物差しにすると良いでしょう。

2.「文献や資料の収集」


研究テーマを決定したら、
対象についての文献や資料を可能な限り多く集めます。
その際は、テーマに関する直接的なものだけでなく、
関連研究や基礎知識などに関するものも範囲に含めると良いでしょう。

過去の先行研究の論文や資料は、
自分の理論を確立するうえで参考になるだけでなく、
自分の理論を確固たるものにする為の証拠となります。
論文は首尾一貫して論理だてて構成しなければなりませんので、
1から100まで、全て論理的に「積み上げる」ものとイメージしましょう。

直接用いるデータや統計、理論はもちろん、
参考とした理論や補足資料などが集まるうちに、
自分の研究テーマやアプローチの方法も固まってきます。

文献や資料の収集方法については、
論文の執筆に慣れている方なら独自の方法が既にあると思いますが、
オーソドックスな方法の一つとして、
・決定したテーマに関する一番近い文献を集める。
・その文献内で参考とされたり引用された文献や資料を集める。
・更にそれらの文献や資料に用いられた参考文献や資料を集める。
…といったように、広げていく方法があります。

また、学生であれば、大学
図書館などのデータベースを用いて、
研究テーマに関する文献や資料を検索する方法があります。
えてして、大学図書館だけでは必要十分な文献・資料は集まらないものですが、
その場合は、少なくとも手にできた文献や資料にある、
参考文献や資料の名称等は必ず控え、
そこから生協や大型書店、通販などを通じて収集しましょう。

一ついえることは、この「文献や資料の収集」という作業が、
もっとも大変で、時間を要するものだと思います。
ただ、この収集さえ上手く出来れば、
論文というものは半ば完成といっても過言ではありません。
それだけ労を要する作業ですが、
卒論というものは、その作業の労を知ること自体が、
研究者としての下地を作る、過程を知るという意味で、
重要な目的でもあるということを心得ておくと良いでしょう。

3.「文献や資料の分析・検討と論文の構想」


文献や資料が収集できたら、それらの分析・検討を行い、
問題点や課題、解決する仮説と手段を考えます。
その時に、それらの材料をどのように研究内容に利用するのか、
論文の全体的
な構成と併せて考えます。

長くなったので、今回はこのあたりで。
論文を作成するにあたり、
そもそも理解しておくべき事があります。

それは、「論文とはどのようなものか」という、
執筆以前の話ではあるのですが、
このどのようなものか、が分かっていないと、
論文としての低を成さないし、
評価されることもありません。

それが学生で、卒論なのであれば、
卒業自体も怪しい結果になりかねません。

そこで、論文を作成するための大前提として、
分かってるよそんなことは!と思わずに、
入口から再確認をしていきましょう。

まず、論文というものは、特定の研究テーマに関して、
その事象を調べ、新しい理論を導き出し、公表するためのものです。

その為には、

①事象に対する客観的な文献や資料を幅広く集めたり、

②集めた資料を分析し、問題点や課題の発見と設定、
③解決するための材料や方法の設定、
④それらに基づく実験や懸賞の結果、
⑤そして結果に対する考察と議論を行い、
⑥自分の研究の成果としてそれらの意見をまとめる。

といった工程が必要になります。

これらは論文を作成する為の必要な要素ですが、
当然ながらこれらの要素は、実際の収集や実験といった、
研究の「工程」と同じものです。

また、研究の工程で得られる情報を、
文章としてまとめたものが論文になりますが、
論文自体にもその構成やアウトラインの作成が必要になります。

まずは、論文を書く、というよりも、
論文を書くために必要な情報・材料を集める、
といった感じです。


ここで確認しておきたいことは、
論文というのはテーマを自分で設定する時点からして、
あらかじめ問題が設定されているレポートとは、
全くの別物であるという点です。

すなわち、論文のテーマは、
自身の日常や学問上の関心・疑問・主張に沿って設定します。


そこに「独自性」や「新規性」といったものが加わると、
研究テーマに対する論文としては、まず合格と言えます。

自分の発案・工夫・アイデアによって、
設定したテーマの課題を解きほぐし、
読者に対して再現できるような順序だてられた、
説得力のある、必要な情報を網羅したものにしていきます。

言い換えれば、読者に自身の着眼点と発見を公表し、
説得することが出来て初めて論文になるのです。

まぁ、厳密にいうと学生(卒論)の場合には、
必ずしもそこまでの独自性と新規性を求められないかも知れませんが、
論文とはどういったものかを知っての取り組みと、
知らずの取り組みでは全く別の結果と評価になるのは間違いありません。

重要なのは、
研究テーマの設定から結論にいたるまで、
自身で問題
意識をもち、資料を収集・整理・分析し、
考察・検討を加え、自分なりの結論を得るということです。

ついでにいうと、論文の価値というものは、
上で書いた独自性と新規性の有無、
そして、もちろんそこに説得力があるかどうか、
これらで決まります。

従って、

① 引用した情報を並べるだけでは論文にならない。
② 首尾一貫して論理の鎖で繋がれていないものは論文にならない。
③ 先行研究や他者の批判だけでは論文にならない。
④ 過去の論文や書籍の要約や比較、分析だけでは論文にならない。
⑤ 引用した情報の出典が明示されていないものは論文にならない。
(論文にならないどころか、これは、剽窃になり犯罪である。)

といったように、
「どのようなものは論文でないか」もいう事ができる。

レポートとの違いは元より、
論文とはどのようなものかを理解していないと、
特に学生はこのように論文自体になっていないケースもあるので、
充分に注意して欲しい。

【サイト紹介】
論文作成に役立つサイトを紹介。
初めてでも分かる論文作成入門