第28話 ジャン・チョンとの決別

 乱葬崗に会いに来たジャン・チョンは突然ウェン・ニンを殺そうとする。それを遮ってジャン・チョンの剣を素手で掴む。ジャン・チョンは紫電を振るおうとするが、ウェン・ニンを攻撃できない。「お前が奴らを守ったら、私がお前を守れない」と涙ながらに訴えるのに対して、ジャン・チョンの思いに胸打たれながらも、「守れないなら捨ててくれ」と言うウェイ・イン、「俺を捨て、天下に告げろ、俺が裏切ったと。俺を破門し、ウェイ・ウーシエンが何をしようと今後一切雲霧ジャン氏とは無関係だと。」ジャン・チョンはウェイ・インを思っているのにそれが叶わない悔しさに涙を流しながら「明日勝負しろ」と言って去っていく。それはウェイ・インにとってはジャン家や3人は離れないと誓った姉イエンリーとの約束を破ることになる。横を向いてウェイ・インは涙を1筋流しながら呆然と立ち尽くすのだ。この一連の場面のウェイ・インはとびきり美しい。哀しさ、苦しさ、寂しさ、自分の半身を捨てる痛み、怒り、決意、これらの感情に翻弄されながらのウェイ・インの生きざまから滲みだす妖しい美しさに惹きつけられずにはいられない。

 次の日、ウェイ・インとジャン・チョンは決闘し、ウェイ・インは腹を刺され、ジャン・チョンは左肩を負傷する。その後ジャン・チョンはウェイ・インが昨日言った通りの宣言をし、2人は決別する。

 夷陵老祖の噂は世に広まり講談でも大変人気がある。ラン・ジャンは1人夷陵の町に来て、茶陵でウェイ・インの悪口を言う人々に怒り街に出るが、アーユエンに足に抱き着かれ泣かれ周りの人から責められて困惑している。アーユエンを探していたウェイ・インがそれを見てぷっと吹き出しながら近づいてくる。ウェイ・インの笑顔をみたラン・ジャンの表情には、ウェイ・インの元気な姿をみた安堵と懐かしさがあふれる。ウェイ・インを見つめ続けるラン・ジャンだ。「夜狩りに来たのだ」というが、窮奇道の雨の中での別離後の再会である。アーユエンを「俺が産んだ」といい可愛がるウェイ・インを見つめるラン・ジャンのやさしさがあふれる。アーユエンにおもちゃを買ってくれたラン・ジャンをウェイ・インは、「夜狩りになんか行くな。一緒に飯でも食おう。おごってやるから」と誘うのだ。