随分前に京都の鳩居堂で購入しそのまま放置していた写経セット。
旅先でようやく一枚完成しました。
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一枚一気に書き上げるだけの集中力は持ち合わせていないので、数回に分けてようやく完成。

写経とは…
お手本の般若心経の上に和紙を重ねて、透けてみえる字をただなぞって書き写す…という一見簡単な行為のようですが、やってみてこれが案外難しいことを思い知らされました。

まず物理的な面から。
お手本のお経の筆文字が旧字体やくずし字で慣れない。
老眼のせいも重ねた和紙の厚さもあり、下に敷いたお手本の字が薄過ぎて見えない。   (´༎ຶོρ༎ຶོ`)

そして心理面では、
本来お手本の字に忠実に書かねばならないのに、どうしても自己流の字が出てしまうのです。

我を抑え、無心になることの難しさ。

思い起こせばこれまで「私のやり方」「私の生き方」と自己主張し、自己流をヨシとしてアクセク生きて来たけれど、時には立ち止まって自然の流れに身を任せてみるのも大事なのかも知れない。

写経とは…
ただ経を写すに非らず。
「自己に向き合えとの教え」なのかなぁ…と。

ミーハー的に軽い気持ちで流行りに乗ってみただけの写経が、思いがけなく自己発見に繋がったひとときでした。