ちょうど16年前の今夜、母は今私が通っている病院のホスピス病棟で亡くなりました。
75歳。
腰に出来た軟部腫瘍が肺や脳に転移しての死でした。
病気が発覚してから丸1年後のことです。

母以外にガン死した身内はこれまでいなかったので、うちは絶対にガン家系じゃないと信じていただけに、母の発病にはとても驚きました。

当時軟部腫瘍は、胃がんや肺がんのように知名度は高くなかったので、医師から伝えられたその病名がガンの一種であることも知りませんでした。

病気発覚後は、手術でかなり大きな塊と共に臀部の筋肉も一部切除したので、歩行障害が残り杖や歩行器が必需品になりました。
それでも一生懸命リハビリに取り組んでいたのですが、その年の暮れには肺の違和感を訴え、翌年2月の定期検診で肺への転移が分かりました。
その時点で医師は余命3カ月と宣告。

母は肺の違和感を訴えた頃から、「もし再発があったとしても治療は受けたくない。ホスピスへ行きたい。」と話していましたので、ちょうどホスピス病棟が出来たばかりだった今の病院へ紹介状を書いていただきました。
その後入退院を繰り返し、最後は病院で看取りましたが、ギリギリまで自宅で過ごせたことは良かったと思います。
その時のホスピス病棟の先生や看護師さんたちの温かい対応には感謝感謝です。
その感謝記憶があったから、私もこの病院を選んだのです。

前は、一切の治療を受けないと決めた人だけがホスピス病棟の対象者でしたが、今はホスピスケアの考え方が変わったそうで、各科の病棟で治療を受けつつ精神的なケアと緩和治療を受けることが出来るそうです。