翌日、ドアをたたく音で目が覚める。
時間を見るとまだ4時。
(こんな時間に誰だろう)
と、ドアからのぞいてみると、ナナちゃんがパジャマのまま立っています。
でも、僕とSちゃんは一糸まとわぬ姿です。
Sちゃんを起こして、ナナちゃんが来たことを伝えると、
「ドアを開けてあげて」
と一言。
とりあえず、僕は腰にバスタオルを巻いてドアを開ける。
部屋に入ってくるナナちゃん。
Sちゃんはこの時点で素っ裸のままです。
そのまま、話し始める二人。
(この二人一体どういう関係なんだ・・・)
と、一瞬思いましたけど・・・。
Sちゃんはその格好のまま煙草をふかし、ナナちゃんの話を聞いています。
なんでも、4時にツアーの迎えの人から電話が来て、もうすぐホテルに迎えに行く、と。
迎えの時間って、5時過ぎだったような。
昨日と話が全然違います。
Sちゃんも「何それ」と、言わんばかりに電話がかかってきた番号にかけなおします。
状況を説明して、「とにかくこっちにも準備ってもんがあるんだから5時過ぎにしてくれ」と、話をつけるSちゃん。
昨日からの睡眠時間、2時間半。
僕は何とか大丈夫ですが、中国小姐的にはどう考えても絶対的睡眠時間が足りません。
大丈夫なのでしょうか。
そんな心配をよそに、ナナちゃん、Sちゃんともにそそくさと準備を始めます。
なんとか準備を整えて、ホテル前に泊っている車に向かい、乗り込む3人。
私はその車で今日一日観光するものとばかり思っていたのですが、車は天安門近くからちょっと回り道をして、大きなマイクロバスのそばに止まります。
(・・・・・・。
これはもしかして、普通のツアーなんじゃ・・・。)
てっきり、僕たちだけのためにアレンジされたプライベートツアーかと思っていたのですが、どうも違ったようなんです。
そして、周りに集ってきているのは当然ながら、すべて中国人。
どおりで安いはずだ・・・。
しかし、いやな予感がします。
前回、イーちゃんと参加したツアーも似たようなものでしたから。
でも、さすがにこんなに早く参加したものではなかったし、当然、国旗掲揚見学なんてついていませんでしたから。
そうして参加したツアーだったのですが、結果から申し上げますと。
イーちゃんと参加したツアーの内容と全く、まったく同じツアーだったのです・・・。
これには愕然としてしまいました。
苦笑するしかありません。
万里の長城はほんの1時間ちょっと。
明の十三陵はバスから眺めるだけ。
行ったお土産屋、すべてイーちゃんの時に行ったのと同じ店です。
これには、万里の長城で半日くらい過ごそうと思っていたSちゃんも不満げ・・・。
お金を払う前に、やめよう、というべきでした。
幸い、出発も早かったので、3時ころには戻ってこれたのですが。
いやぁ、やってしまいました。
これは大失敗でした。