時々、心の底をえぐるような言葉をかけてくる友人がいる。
今回、彼女が私に向かって放ってきた言葉。
「なぜ、長男には奨学金を自分で返却させてるのに、次男には何百万も出してあげたの?」
そう。
長男は奨学金を借りて大学に行き、現在は自分で毎月返却している。
長男には、ほとんどお金を掛けていない。
次男には、東京での生活費、専門学校の入学金、授業料、全て私が払った。
なぜ、あんな大金を、私はポンと出したのか。
彼女は黙ってしまった私に、追い討ちをかけるように言った。
「次男が大大大好きだからでしょ?違うの?」
大好き、ホントにそうか?
「ちゃんと認めた方がいいよ、そういうことは。」
いや、ちょっと待って。
大好きだけで大金出すような、そんな人間ではない。
ものすごく貧乏性だから。
ならばなぜ?
ふと思い出した。
「あれは逃げだった。
学校やいろんなことから逃げたんだよ。
ギターが好きだったわけでも、東京に行きたかったわけでもない。
ただ、ここから逃げたかった。」
つい最近、次男が言っていた言葉。
その時は気づかなかったが。
逃げたのは私も一緒。
不登校だった次男。
辛かった世間の目。
いろんなことから逃げたかった。
次男が東京へ行ってくれれば。
辛かったことが全部、帳消しになる。
胸を張って、ギター作りに東京行ってますと言える。
だから、大金を出したのだ。
次男が本当にしたいことなのかも、次男の為になるのかも、何も考えずに。
そう。
次男の為に出した大金ではない。
自分が嫌なことから逃げて、楽になる為に出した。
今の今まで、その事から逃げていた。
次男の方が先に嫌なこと、本当の自分の思いと向き合っていた。
そのことに、やっと気付いた。
私は答えを待っていた友達に本当の理由を話した。
「有難う。あなたのおかげで自分と向き合えた。」
彼女は少しだまって、
「ひどいこと言ってしまったかもしれない。
だけど、そう思ってもらえるならよかった。」
そう言った。
有難うという気持ちに嘘はない。
ああ、そうだったのかと、とても府に落ちたから。
いつも、次男はわたしより少し先を歩いていく。