昨年の秋のことだ。

いつものように、次男と二人、食材の買い物へ行く途中。

空はひとかけらの雲もなく、どこまでも青く、高く。

車の窓を開ければ、心地よい風が入ってくる。


もう、このままでいいか

そんな想いがふわっと浮かんだ。

次男と二人、買い物に行ける。

私には何の不満も悩みもない。

それなら、このままで何が悪いのだろう。


すーっと心が軽くなった。

腹をくくるとか、覚悟を決めるとか。

そんな、重苦しいことではないんだ。

そんなのは、全部、自分のための行動。

次男のためではない。


私たち親子はこれでいい。

ずうっとこのままでもいいくらいだ。

言葉に出して言ってみた。

「なんか、幸せだね〜

ずうっとこのままでもいいかもね!」

次男はニヤニヤしている。

「イヤ〜、ずっと買い物に付き合うのはちょっとね、、、」

あらま、そう来たか。

二人で笑った。

秋晴れの日。