心療内科さくらクリニックが月に1度行っている家族相談会。

 家族相談士の阿部直樹さんが相談会を取りまとめている。

 この会で阿部直樹さんに初めてお会いした時、私は思わず、やっとお会いできました!と言ってしまった。
 岩手で不登校や引きこもりの支援に20年も前から関わっている方で、早く阿部さんに相談したいとずっと思っていたから。
 
相談会は二部構成になっていて、前半は阿部さんの講話。後半が参加者からの相談を皆で考える時間となっている。

 講話は毎回とても分かりやすく、聞いていてなるほどなと思うようなお話ばかり。
 参加者は皆、分かる分かると頷いて聴く。


 後半の、相談を受け付ける前に必ずやることがある。
 それはよかった探し。
 この1ヶ月の間にあった、よかったことをそれぞれが話すのだが、初めはよかったことなんて何もないと皆が口を揃えて言う。

 私も、この状況で何がよかったことなのか、と思ったものだ。

 これは、初対面の人もいるなかで、場を和ます為にやっているのだろうと初めは思っていた。

 しかし、何回か通ううち、それ以上の意味があることに気付く。


 よかった探しのあとは、いよいよ相談のある人に今一番困っていることを話してもらう。

 そして、ここからがすごいことなのだが、阿部さんは会の進行をするだけで、何かいいアイディアはないかと参加者に問いかけてくる。

 自分の悩みで精一杯のはずの参加者が、他の人の悩みに答えられるのか。

 不思議なことに、自分の悩みには解決法が全く無いように思えるのに、他の人の悩みには何とかして答えを出そうと皆が真剣になる。

 そして、必ず何かの解決法が見つかる。

 この相談会に参加するようになって4年近くになるが、毎回とても幸せな気持ちで帰ることができる。

 ただ同じ悩みを持った仲間がいるから、答えが見つかるから。
 だけではない。
 自分も皆のために、皆も誰かの為になれる。

 その思いが一人一人を勇気づけているのだと思う。


 引きこもりに悩んでいる保護者の皆さん、ぜひ、当事者ではなく、保護者や支援者を診察してくれる心療内科を見つけて下さい。
 そういうところならば、きっと家族相談会を開催していると思います。
 一人で悩まずに、まず家族相談会に繋がりましょう!