ポピュリズムってなんだ? | ちんちくりん的視点 “warped view”

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イギリスがEU離脱を決めて、テレビも新聞もその話題で持ちきりです

EU離脱か残留かを問う国民投票が行われ、国民一人ひとりが自由に考え判断した結果、離脱と決まりました

途中、残留支持派の議員が射殺されるという悲劇的な事件も起きましたが、暴動などに発展することもなく、平和的に投開票が行われました

残留を支持したキャメロン首相は、結果を受けてすぐさま辞任を表明、離脱手続きは次の指導者に委ねることになりました

結果を尊重し、真摯に受け止める、これこそ民主主義のお手本ですね
さすがです

ところが、今になって
「まさかの結果」
「こんなことになると思わなかった」
「よく考えずに投票した」
「投票をやり直したい」
といった声が吹き出しています

挙げ句の果てに
「EUってなに?」

、、、って
おいおいおいおい?どーなってるの?!

成熟した民主主義の国と思っていたのに、ここに来て意外とバタついてます

考えてみれば、普段は政治や経済にあまり関心のない普通の人たちに、いきなり「EU離脱する? しない?」と聞いたって「はい?」ってなるのは当たり前のこと

専門家にだっていったいどうなるか予測不能な未知数の事態なのに、こう言っちゃ悪いけど、毎日羊を追って暮らしてるような田舎のおじさんに分かるようなこととは思えません

「今の暮らしに満足してる?
してない?
してないなら離脱に1票だよ
そうすれば絶対に良くなる」

そう言われれば、そうなんだ?と単純に信じてしまうかもしれない

「ブリテン・ファースト、
自国の利益が最優先だろ!」

よくわからないけど、そりゃ確かにそうだよね、となるかもしれない

そうしたちょっと「?」な1票も、熟考に熟考を重ねた信念の1票も、投票箱に入れば同じ1票、その重みに変わりはありません

その時の空気によっては、必ずしも正しい(望ましい、あるいは妥当な)結果がもたらされるとは限らない

良くも悪くもこれが民主主義なんですね

「ハリーポッター」のJ.K.ローリングさんは、この投票結果に絶望して思わず「魔法がほしい...」と呟いたそうです

民主主義は人々をパラダイスに導く魔法ではない、ということを思い知った出来事でした

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さて、こうした難しい判断を迫られる場面が、いよいよ日本にも迫っています

他人事ではありませんよ

今度の参院選の結果によっては、日本でも憲法改正を巡って国民投票が行われることになるだろうと言われています

日本の未来を変える重要な判断を、ボクたちの手に直接委ねられる、、、!

大変なことです

「よくわからない」
「結果を後悔してる」
「やり直したい」、、、

イギリスのようなことになってしまったら、もう取り返しがつきません

イギリスが思わぬ結果を出してしまった状況を「ポピュリズムに流された」と表現する専門家がいます

政治家が自分の人気取りのために大衆受けする言動をとることを「大衆迎合主義」という意味で「ポピュリズム」と呼ぶらしいです

なにか悪いことのように聞こえるけど、本来は一部の特権階級のためでなく、多くの一般大衆のためになる政治をしよう、というような意味だったはず、、、(?)

しかし、それを悪用して大衆を自分の意のままに扇動しようとするズルい政治家もいる

そうした悪意のあるないに関わらず、大衆の望むことと政治的に最善と思われることとは必ずしもイコールではない、というのもまた事実

どっちの意味で使っているのか、ボクにはよくわかりません

「就職率上げます」
「賃金を上げます」
「介護士の待遇を良くします」
「待機児童をゼロにします」
「高齢者には給付金を支給します」
「消費増税を見送ります」

今回の参院選挙でも、多くの人が「わーい」となりそうな甘い言葉が踊っています

これもひとつのポピュリズムと言えるでしょう

これらを本当にやってくれて、結果的に本当に生活が良くなればありがたいけれど、今までの経験上たぶんやらないし、やってもいつまでも「道半ば」だし、必ずどっかにしわ寄せが来るし、いつの間にかこっそりこれらと関係ないことをやり始めるかもしれません

マニュフェストを読んだって意見は様々、景気回復のためにどれが一番いい政策なのか、経済からっきしのボクには正直ぜんぜん分かりません

けれども、耳障りのいい言葉だけでなく、その言葉の裏側に隠された意図をボクたちはしっかりと見極めなければなりません

少なくとも、口先だけ、目先だけ、自分の都合だけに囚われていたら、まんまと「ポピュリズムに流されて」しまうことになりかねない

思わぬ結果に後悔はしたくない、、、

ならば、有権者一人ひとりが意識を高めるしかないのです

いつまでも、権力者の意のままに踊る愚民扱いされているわけにはいきません

誰もが純粋に思い描く理想的な世の中へ少しずつでも近づけていく、それができる力をボクたち一人ひとりが持っています

政治家を動かすのはボクたちの1票です

それがなければ、彼らはなにもできません

政治家に好き勝手なことをやらせてはいけません

それを止めるのもボクたちの1票です

この力を行使しないということは、自分の命も権利も自由も丸ごとすべてを、権力者に無条件で差し出すのと同じことです

それは自分ひとりだけではなく、自分の大切な人たちや、未来の子供たちの運命をも、同時に差し出すことになります

まずはしっかり自分で考え、判断する姿勢を示すことが重要だと思います

その意思表示は、投票率という数字ですぐさま明確に示されます

得票数や誰が勝ったか負けたか以上に、その数字が政治家に与えるプレッシャーは大きいはずです

政治家に国民の目を意識させる

政治家の意のままに流されたりはしないことを思い知らせる

それはボクたちが仕掛けるもうひとつのポピュリズム

自分の投じる1票に信念と責任を持ち、主権者は自分たち国民だということをしっかりと認識して、投票所に向かいたいと思います

ね、すずちゃん♡


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〓ちん〓