イギリス南部の田舎暮らしです。
夏休み後半は、
シチリアを旅行してきました。
シチリアは、イタリアのつま先の上にある
地中海最大の島。
その歴史はとても古く、
19世紀にイタリアに編入されるまでは
独立した王国として独自の文化を築いており、
日本で言うならば沖縄のような感じでしょうか。
よって、イタリアについての旅番組を
シリーズで作るとしたら
シチリアが外されることは、まずないです。
日本では、知識人や有名シェフ、俳優などが
旅人となって、海外を旅する番組が
シリーズで作られることはありませんが、
(単発はあっても)
イギリスやアメリカではありまして、
プレゼンターの魅力的なキャラクターとともに
なかなか面白い。
日本人作家の面白い旅行記は
たくさんあるけれど、映像となると
日本人は、魅せる&楽しませるプレゼンは
あまり上手な民族ではないから、
『世界の車窓』からのような作り以外は
難しいのかも。
そんな、イギリスやアメリカの
有名な旅番組シリーズのシチリアの回を
見ていたら行きたくなってしまいまして。
しかし、旅の計画の段階で戸惑ったのが、
シチリアを旅行する際の移動手段についての
情報の少なさ。
- シチリアは移動手段が限られ大変。
- 電車は本数が少ないから避けた方がいい。
- バスがお勧めだが、島が大きいので移動時間は長い。
- レンタカーは駐車場所に困るし、島が大きいから運転時間も長くなり大変。
- ハイヤーで旅行するのが一番お勧めだが、団体ツアーでないとべらぼうに高い。
という情報しか、ガイドブックはおろか
ネットでも見つけられず、
一体どう旅行すればいいわけ??
と途方にくれました。
旅好き日本人の情報が
ここまで役に立たなかったのは
初めてのことです。
しかし、Omioというアプリを使えば
電車を有効に活用出来ると友人に教えて貰い、
あっさり解決。
シチリアの地図です。
(ネットから借用)
巨大なので2回に分けて旅することにし、
今回は上半分を旅してきました。
ロンドンから直行便で3時間の
パレルモ空港(地図では左上)に到着し、
そこから右回りに電車で旅をして
カターニア空港(地図の右端真ん中)を
ゴールにすることに。
シチリアを舞台にした有名な映画には
『ゴッドファーザー』
『ニューシネマパラダイス』
『グランブルー』
などがありますが、
とりあえず、内容をほぼ忘れていた
ゴッドファーザーだけ鑑賞して準備完了。
旅に行く前の注意点として
イギリス人の夫や同僚から釘を刺されたのは
- シチリアは南イタリアでも特に貧しい。
- よって、ナポリのように街はとても汚い。
- 高級品は持って行かないように。
なので、覚悟して行ってみたら、
貧しいといっても街によって大きく違いましたし、
一番汚かったパレルモでも
ナポリよりはマシで、
治安もナポリより、よいです。
という訳で、まずはパレルモ。
シチリアは、昔は海上交通の要となる位置を
占めていたため、
ギリシャ→ローマ→イスラム→ノルマン人
→フランス→スペイン→イタリア
と侵略されては、支配者が変わってきました。
よって、州都パレルモにある
世界遺産になっている数々の観光名所は、
他文化が寛容に入り混じった
最高傑作のような凄まじさ。
スラム街、ゴミの山、落書きだらけ、
街の汚さといった負の側面に目を瞑るならば
観光地としては最高に面白いです(天国)。
シチリアの歴史については
ほとんど知らなかったのですが、
観光しながら学んでいたら
世界史についての理解がとても深まりました。
シチリアが最も栄えたのはノルマン人に
支配されていた時代ですが、
イギリスもシチリアと同じ頃、
11世紀に同じくノルマン人(元は北欧の海賊で
南下して北フランスに定住していた)
に征服され、支配されます。
征服王と呼ばれるこのウィリアム一世が
現在のイギリス王室の開祖。
ご先祖様は海賊なのですね。
現在のウィリアム皇太子が即位したら、
名前を変えなければウィリアム五世になります。
ウィリアム一世から約100年後、
リチャード獅子心王の妹君は
シチリア王家に嫁ぎますが、夫に先立たれます。
十字軍遠征の途中、
未亡人となった妹を守るために
獅子心王はシチリアで戦っています。
シチリアは美食の島としても有名なので
食事も楽しみたくて、ゆったりした旅程を組み、
レストランはかなりの数を周りましたが、
残念ながら食事は期待はずれでした(地獄)。
同じく美食で有名なのに、食事がまるで
合わなくて辛かった台湾ほどではないですが、
これは凄いと思ったレストランは、
パレルモではカーポ市場にあった、
google評価の低い小汚い(失礼)有名店のみ。
ミシュラン持ってるお店にすらも
がっかりしたのですが、色々食べ歩いた後、
パレルモにしてはあのお店は美味しいから
ミシュラン取ったんだなと理解したほど。
NHKの取材店など、
無難に美味しいお店はたくさんありましたが
飛び抜けて美味しいお店はなくて。
地元っ子が美味しいというお店に行っても、
可もなく不可もなくという感じでした。
ホテルのレストランで食べた方が
雰囲気はエレガントだし、美味しかった。。
(老舗五つ星ホテルに泊まりました。)
私のテイストではなかっただけで、
台湾同様、屋台やコンフォートフードが
好きな方には美味しいのだろうと思いますが、
イタリアにはエリア差があり、
どこにいっても美味しいということは
ないので、期待し過ぎないことが大切ですね。
(例えば、ミラノはお金あってもイマイチですし。)
⇩クリックして頂けると喜びます
ヨーロッパランキング