イギリス南部の田舎に住んでいます。


農業や畜産業が盛んなイギリスでは、

サステイナビリティが強く意識されています。


レストランでは

近郊で採れた農産物や畜産物を使っている

ことがメニューで強調され、

オーガニックであればベターですが

それよりも重要なことは近郊産であること。


さらに、レストランが

自分たちの庭で採れた野菜やハーブ、

自分たちで飼っている畜産の肉を使っていると

賞賛されて話題となり、人気となります。


昨年の夏休みは、イタリアの高級ホテルで

それをしているところに泊まったのですが、



イギリスの田舎でも、

高級ホテルといえば

マナーハウスを改造したところですので、

昔の豪邸には必ずキッチンガーデンがあり、

畜産までは無理でも

キッチンガーデンで採れた野菜やハーブを

ホテルの食材に使っています。


そして、ご自慢のキッチンガーデンは、

宿泊者や訪問者が、まるでお庭訪問のように

散策できます。


(イギリス人は自宅の庭にグリーンハウスを持って

野菜や花を育てている人も多いので、

喜んで訪問したがります。)


日本ですと、リゾートのペンションで

そういったことを売りにするところは

あると思いますが、

野菜畑をお客に見せるという発想はないし、

そもそも誰も見学したいと思ってないし、


お客が見学できる、目の前の庭で

野菜やハーブ、ましてや家畜を育てている

リゾートホテルやレストランは、まずないですよね。

(契約農家自慢はしますが、目的が違う。)


それほど、イギリスは

オーガニックというより

サステイナビリティにとても関心が高いです。


さて、

長年そんな取り組みをしている有名シェフで

環境活動家としても有名な

ヒュー・ファーンリー=ウィッティングストール

という、やたら苗字の長い方が居るのですが、


25年前にイギリス南西部の田舎に

古い農家を買って引っ越し(たフリをし)、

リバーコテージと名付け、


農場として

野菜だけでなく、家畜も飼い、

自給自足しながらフードロス削減を訴え

人々を啓蒙していく姿を

民放(チャンネル4)の

TVシリーズとして制作。


鶏を劣悪な環境で育てて安く売る

大規模スーパーを痛烈に批判し、

家畜のwell-being(幸福)を主張した

イギリスではかなり有名な人です。


ちなみに彼はベジタリアンではありません。

むしろその反対。食用として育てた家畜を

屠殺し自分で捌き、内臓も無駄にしないよう

提案をします。


TVシリーズはとても有名になり、

料理本もたくさん出版しています。


↓初期の頃のヒュー氏。




↓一番乗ってた頃



↓環境活動家と化した現在



ヒッピー風からジェントルマンになっているのは、

出自からしてさすが。笑


長い苗字から察せられるようにお家柄よく、

イートン校の出身です。


彼はシェフでもありますから、

リバーコテージではレストランやカフェも経営。

料理教室も開催。


完全なる環境活動家になってからは

TVシリーズ制作はストップし、

さらに、コロナでレストランやカフェは

閉鎖したと噂に聞いていたのですが、


イギリス人の夫の親友が、

リバーコテージの料理教室に泊まりがけで行き、

レストランやってるよ!と教えてくれたので

車で行ってみました。


駐車場から歩いていくと

ほったて小屋のようなカフェが。

風力発電も見えますね。



レストランへは、この眺めの良いカフェから、

長い坂を下っていきます。



着きました。

おお!TVで見た家だ。



キッチンガーデンを散策。



表庭で、カクテルが振る舞われ、

開始時間まで、カクテルを飲みながら待ちます。



今は宿泊施設にしている本宅正面の

バーン(穀物などの保存庫)が、

レストランです。



バーンの中。



結婚式会場としても使われていますので、

席は長テーブル方式。

60人が座れます。


うーむ、これはお隣と会話しないとならんなと、

少し身構えます。(以前にもこういう

レストランに行き、会話に疲れたことが。)


一斉スタートなので、

席に名札が置いてあり、

自分の名前を探して座ります。


12:30のはずが、13:30にようやくスタート。

60席は満席でした。


ヒュー氏は夏休み中なので、

スーシェフの女性がメニューを説明。

流暢な英語でしたが、

なんとイタリア出身の方でした。


よかった!シェフはイタリア人だと

ホッとしたことは、否定しません。


前菜のビートルート。

美味しい✨



メインのポーク。

もちろん、

この農場で放牧して飼っている豚さんです。

メチャクチャ美味しい✨✨



デザートまで美味しい✨



かなり満足したので、

季節が変わるごとに来たいと思いました。


驚いたことに、

お客さんの大半が子供連れでした。

うちの両隣に座ったご家族は、

偶然ですが、どちらもケントから。


このエリアでの海遊びも組み合わせて

バケーションで来ていましたが、

運転、片道5時間はかかったのでは。


イギリス人らしく会話上手で

どちらも素敵なご家族でした。

子供の食育も兼ねて来ていたようです。


帰りの駐車場で、お隣に駐車されていた

クラシックカー。



イギリス人はクラシックカーが大好きなので

いまでも普通に乗ってますし、

ガレージコレクターもとても多いです。


ヒュー氏は、

ジェイミーオリバーも修行した

リバーカフェの出身。

(お坊ちゃま、長くは続かなかったようですが。)



リバーカフェは、たくさんの有名シェフを

輩出していますね。


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