先日、自治医大の先生による講演会を聞きに行った。

遺伝子治療の権威だ。パーキンソン病についても

治験を行おうというところに来ていて、安全性jも高く、

一度行なえばその効果はずっと続く、夢の治療法だ。

いや、もう夢じゃない、あと少しでその夢がかなうところ

まで来ているということを実感できる講演だった。

 

手術が必要だが、DBSの手術と同様、小さな穴を

固定した頭蓋骨に開けて、そこから遺伝子を注入し、

ドーパミンを作れるようにするというもの。(簡単すぎ、あしからず)

先生としてもその技術には自信たっぷりで、明日からでも

実施できそうな勢いであった。

 

先生はひとしきり説明したあと、「ただし」と付け加えた。

問題がひとつあります、と。

 

それを作る製薬会社が現れないのだという。

一度キリで終わる治療法。しかもその後、患者は

良くなり、それまでの薬もかなり減るだろう。

そんなビジネスの足をひっぱる治療法、もうからないのに

やりません。というわけである。

 

そんなものか。製薬会社って。

CMでは「皆様の健康のために」などと

良いことばかり言ってるけど お金にならないことはしないのか。

わからなくもない・・・けれど諦められない。

そういうときこそ国のフォローが必要じゃない?

臨床応用に関して日本は欧 米にくらべ著しく後れている。

審査制度の煩雑さやガイド ラインの未整備・・・

この国のスピード感のなさといったら。

研究者不足も大きな要因だ。

クラウドファンディングなどの手段を使えば、

何とかならないのだろうか。

寄付文化の浸透していない日本。企業ばかりが

お金をためこんでしまっている。

 

患者の体とこころの苦しみをわかってほしい。そこから解放してほしい。