サッカー関係者のVISA拒否
『【エルサレム=福島利之】パレスチナ・サッカー協会のジブリール・ラジューブ会長は13日、読売新聞の電話取材に、サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3か国大会で米国とカナダからビザ(査証)の発給を拒否されたと明らかにした。
パレスチナは予選で敗退し、本大会には出場していない。
ラジューブ氏は11日に開会式が行われたメキシコには入国を許可されたが、米国とカナダからビザ発給を拒否され、入国できないという。
ラジューブ氏は「イスラエルがビザの取得を阻止するために圧力をかけた」との見方を示した。
ラジューブ氏はパレスチナ自治政府を主導する主流派ファタハの重鎮。4月にカナダで開かれた国際サッカー連盟(FIFA)の総会では、イスラエルのサッカー協会幹部との集合写真を拒否した。』
サッカーワールドカップは、世界中で注目のスポーツイベントだが、今回ほど政治と結びついた大会も珍しいだろう。
今回の一番の問題は3か国で開催ということ。
W杯はアメリカを中心に、メキシコ、カナダの3か国で試合を実施。
そして、各国で入国VISAの対応が違う。
特にアメリカはシビアだ。
トランプ大統領がイスラエルと組んで、イランと交戦を始めた。
これが大きな原因ともなった。
特に3か国開催ではあるものの、今回のサッカーワールドカップはアメリカ中心の試合日程。
ガーナの選手のように、アメリカに入れても、カナダには入国拒否のケース。
このラジューブ氏のようにメキシコに入れても、アメリカ、カナダには入れないケース。
3か国のそれぞれの国との関係が大きく関係している。
特にアメリカは、イランと戦争をしているが、ワールドカップにはイランが出場し、アメリカで試合をする。その為、イランの選手や必要スタッフにはVISAを発行。
しかし、VISAが発行されない人もいた。
FIFAは配慮するように色々言っていたけどね。
ただ、アメリカ政府を無条件で責めるわけにはいかない。
W杯は世界的なスポーツイベントだ。
だから、スパイやテロリスト達にとっては絶好の機会とも言える。
世界中から多くの人が集まると、人ごみに紛れやすくなる。
警備と言っても人的、金銭的に限界があるのは当然。
特にトランプ大統領は、イランだけでなく、ベネズエラやキューバと直接手を出してきているし、中国とも経済戦争を実行中。
いや、それどころか西側であった欧州ともうまくいっていない。
特にグリーンランドを買い取るとか発言して、デンマークとはしこりが残る。
他にも米軍駐留数を突然大幅削減と言って、ドイツとも関係が良好とは言えない。
そんな時の世界中から人が集まるサッカーのワールドカップ開催だ。
大会中にテロなどが起きたら、大失態となる。
トランプ政権がVISA発行に慎重になるのは理解できる部分もある。
メキシコ政府はVISA発行をほとんど止めていない。
しかし、メキシコはメキシコで問題を抱えており、経済問題でW杯に金を出して、国内貧困問題が疎かになっているという事で、W杯の華やかさの裏側でデモが実行されている。
ワールドカップ開幕戦と言えば、開催国の首脳が出席するのに、今回メキシコのシェインバウム大統領は顔を見せなかった。これはこれまでの慣習からすれば異例と言える。
シェインバウム大統領の政党(MORENA)は「左派・貧困層の支援や平等」をスローガンにしているため、ワールドカップのチケットの高額さと自分も一般人の視線を重視した為と言われている。
W杯視聴はVIPの特別扱いではなく、パブリックビューイングを選んで、貧困層の事を考えているという事を行動で示したのだろう。
今メキシコシティで行われているデモに対する行動ともとれる。
このようにアメリカ、メキシコ、カナダはそれぞれ抱えている問題が違うのだ。
メキシコから陸路で入国する人はいつもより多いだろうし、アメリカに密入国する人も出てくるだろう。
ラテン世界ではワールドカップの為に命を張る輩が出るからね。
特に自国が予想に反してベスト8、ベスト4などに進出すると、後先考えずに行動する人が必ず出てくる。
今回のW杯は出場国を大幅に増やし、試合数も多い。
その分、開催国の警備負担は増大している。
アメリカやカナダのVISA要件を厳しくしているのも、ある程度理解はできる。
この機会に、自国にテロリストやスパイなどを入れたくないからね。
ただ、アメリカはVISAを発行していても、人によってはシングルということもあるようだ。シングルと言うのは1回の入国だけ認めるという事。
その場合、自国の試合がアメリカであった後、第2試合はカナダでやって、第3は再びアメリカで試合となっている場合は大きな問題になる。
これって、マスコミ関係者ではこういうケース出ていると言われている。
VISAもマルチじゃないと、一度アメリカを出国すると再びVISA申請をしないといけない。そんなにすぐにVISAが下りるとは限らないし、試合後に発行されても意味がない。
それでなくても、トランプ政権は不法移民に神経質になり、有名大学の外国人留学生にまでケチをつけてきた。できるだけ、アメリカへの門戸を狭めようとしているのは明らかだからね。
マスコミによっては、同じ人が取材するのではなく、チームで担当する試合を決めてチェックするというやり方が主流になるかもしれない。
日本人はあまりそういうVISAで嫌な思いをする人は多くないと思うが、アフリカの発展途上国などは大変だろう。そもそもアメリカは国籍で入国禁止にしている国だってあるしね。
日本国籍のパスポートでも、アメリカが禁止している国への渡航があったら、簡単に申請できるESTAが利用できなくなり、きちんと大使館などでVISAを申請して面倒な手続きが必要になる場合もあるようだ。
話を戻すと、これまでチームに帯同してきたスタッフやお世話係がいなくなったチームは、別の意味で不利になる可能性がある。
選手のコンディションだけでなく、今回はどこで試合をするのか、VISAは関係あるのか、それによって大きく戦略が変わってくる可能性がある大会だね。天候以外にコンディション調整に大きな差が出てくるかも?
とにかく無事に最後まで北中米W杯が終了することを祈っているよ。