裏切りスナイパーの語り
『ウクライナ軍当局「親ロシア派武装組織のスナイパーである『バギラ』を捕らえた」
銃を抱えてカメラを見つめるのは、女性スナイパーのイリーナ・スタリコワ(41)。
黒ヒョウを意味する「バギラ」と呼ばれている。
彼女はこれまでに、ウクライナ兵や民間人など、少なくとも40人を殺害したとされる。負傷して森の中に1人取り残されたところをウクライナ軍に捕らえられたスタリコワは、「ロシア軍に見捨てられた」と主張している。
スタリコワ「仲間は私を捨てた。私が死ぬことを期待して置き去りにすることを決めた」
2人の娘を持つスタリコワは、元ハンドボールプレーヤー。また、かつては「マザー・ゼニア」という名のシスターだったことから、異色の経歴の持ち主としても知られている。
スタリコワはウクライナ側の調査に対し、協力的な姿勢を示しているという。(『ABEMAヒルズ』より)』
ウクライナ軍を苦しめてきた女性スナイパーが捕まった。
親ロシア派武装組織でバギラと恐れられた殺し屋だ。
このニュースは、色々な意味で驚かされた。
先ず、2人の娘を持つ母親だということ。親ロシアと書かれているということは、国籍はウクライナなんだろう。ロシア人とは書かれていないからね。
それがウクライナ軍兵士ばかりか、一般の民間人も殺していたらしい。しかも、そのスナイパーには2人も娘がいる。娘にはこの人殺しをどのように説明しているのだろうか。
また、今回は捕まっただけだけど、自分が殺される危険も多分にあったのだ。その場合、娘たちの心はどうなんだろう?
捕まって拷問にかけられることも想像できたはずだ。そこまでロシアに味方をして一般ウクライナ人を殺すことにした、突き動かす動機は何だったんだろう?
それと気になったのが経歴。
元ハンドボールプレーヤー。スポーツで培った正義心などはなかったのだろうか。
ハンドボールはチーム競技だし、共に戦ったウクライナの同級生のことは考えなかったのだろうか。
それに輪をかけて驚かされたのが、元シスターということ。
シスターって、カトリック教などで、教育や医療などの分野で祈りや慈善事業などをする人達。ここではロシア正教会だったかもしれないが、目的はそんなに変わらないだろう。
いずれにしても神を信じ、人々を助けることに力を注ぐ人達で、一般人よりも平和を望み、いかなる戦争や人殺しに抵抗があるように思われる人達だ。
そんな元シスターが40人以上を殺すスナイパーになるまでに、どんな経緯があったのだろう?
それにロシア軍が自分が負傷したから見捨てたと言っているが、戦争ではそういうことも仕方がない面もあるのではないか?
地雷にしても、人を完全に殺すのではなく負傷させる程度のものが好まれたことがある。殺してしまえば、それまでだが、負傷させた場合は仲間が負傷者を見捨てることができず、肩を貸す、おんぶをするなどして助ける。
そうすれば、結果として2人の戦力を奪うことになる。
そういうことがわかっていれば、見捨てるという行為も理解できる部分がある。
そういうことがわかっていれば、見捨てるという行為も理解できる部分がある。
それに女性スナイパーのイリーナ・スタリコワはロシア人ではないだろう。
となると、ロシア軍から見て仲間意識があったのかどうか。
ロシア軍に都合のいい親ロシア派武装組織で利用するときは利用するけど、所詮は彼女はウクライナ人で、そもそも仲間と思われていなかった可能性がある。
人間って、つくづく複雑怪奇だなと思う。
それが平時では影を潜めているが、戦争のように極限状態では本能のようなものが解放されて爆発するのだろうか。
このスナイパーがウクライナ軍に何を語るのだろう?
ただ、彼女に殺されたウクライナ人の遺族にとっては憎き裏切り者。
ロシア軍の情報だけ聞き出して処分するのか、それとも寝返らせて戦力にするのか。
戦争って、本当に人間関係を根絶してしまうんだね。
ロシア軍の情報だけ聞き出して処分するのか、それとも寝返らせて戦力にするのか。
戦争って、本当に人間関係を根絶してしまうんだね。