デノミが凄い
『【サンパウロ時事】南米ベネズエラの中央銀行は5日、慢性的な物価急騰に対応するため、通貨ボリバルを100万分の1に切り下げるデノミ(通貨呼称単位の変更)を10月1日に実施すると発表した。
反米左派のマドゥロ大統領
現行の100万ボリバル・ソベラノが、新導入の1ボリバル・デジタルとなる。同国は2018年8月にも通貨を10万分の1に切り下げている。
中銀は声明で「デジタル経済の深化と進展」に対応するためと説明。名称は「デジタル」だが紙幣は発行し続けるという。
ベネズエラでは石油価格の下落と反米左派政権の失政、米国の経済制裁により物価は上昇の一途をたどり、中銀によると07年を100とした今年5月の物価指数は、1兆1956億にまで上昇した。
現在の為替レートは1ドル=約404万ボリバルとなっている。』
南米のベネズエラが100万分の1のデノミを行うんだって。
デノミというのは、急激なインフレによって通貨単位が大きくなりすぎて、通貨の単位を変更すること。
デノミにしても、普通は100分の1とか、1000分の1ぐらいだろう。
100万分の1って、かつてのアフリカのジンバブエみたいだね。
そもそもお金に100万があること自体、異常だよ。
これだと1万ボリバル・ソベラノでも、ほとんど価値ないじゃん。
旅行者などにとっては、この数字の多さが詐欺にあう大きな原因なんだよね。
0が多すぎると、どの単位かよくわからないから、最初は騙されやすい。
ベネズエラ人は見慣れてるから紙幣に描かれている人物や色などですぐにわかるんだけど。
ベネズエラは南米の英雄シモンボリバールを輩出し、産油国として、かつては南米では裕福な国だった。
故チャベス大統領が反米に舵を切って、そのカリスマが亡くなると、ベネズエラはマドゥロ大統領になって混乱期に入った気がするな。
かつて、ハイパーインフレ対策として仮想通貨の「ペトロ」を画策したことがあったが、見事にこけたね。
ベネズエラでしか使えなくて、信用度がない「ペトロ」よりも、全世界で使える「ビットコイン」の方がマシになっているようだ。
今回のデノミにおいて、貨幣の名称が「ボリバル・デジタル」に変更になるらしい。
デジタルをつけても、紙の紙幣を流通させるなんて・・・。
ベネズエラ政府としては、デジタル貨幣として普及させたいのかな?
それにしても現在の為替レートは1ドル=約404万ボリバルだなんて。
1ドル=110円ぐらいだから、1円が約36700ボリバル。
正直、10万ボリバル以下の紙幣は貨幣としての役割を果たしていないんじゃないかな?
反米主義を取りながらも、ベネズエラ人は自国通貨のボリバルより米ドルを大切にするんだから、なんとも皮肉なもんだね。