http://news.livedoor.com/article/detail/10588296/
『内戦で居場所を失ったシリア難民が続々とヨーロッパに流入する中、ドイツをはじめとす る西欧諸国だけでなく、アメリカ、オーストラリア、南米諸国なども続々と難民受け入れの拡大を表明している。
そのなかで、日本が認めたシリア人の亡命申請 はわずか3人。日本の受け入れ体制は世界最低レベルだ、と海外メディアの批判が集まっている。
◆シリア難民の認定は累計で3人、住居提供はゼロ
これまでに日本に難民申請したシリア人は60人で、そのうち認められたのは3人。30人が「人道上の理由」により、長期滞在許可を得ているという。
昨年は ネパール、ベトナム、タイなどを中心に過去最高の合計5000件の難民申請を受け、11件を認めた。
英ガーディアン紙は「対照的に、アメリカは2013年 に2万1171人の難民の亡命を受け入れた。ドイツは1万915人、フランスは9099人だ」と、日本の難民受け入れ数が他国と比べて極端に少ないことを 強調している。
同紙はさらに、「亡命に厳しい韓国ですら、57人の申請を認めた」と記す。
また、国際人権NGOアムネスティ・インターナ ショナルによれば、日本がシリア難民に提供している住居は「ゼロ」だ。主要国で住居提供を全くしていないのはほかに、ロシア、シンガポール、韓国だけだと いう。
その一方で、各メディアは、今年1月に安倍晋三首相が訪問先のエジプトで、「イスラム国」(IS)との戦いの被害を受けた中東諸国に2億ドルの人道 支援を約束したことを指し、「資金援助面ではアメリカに次ぐ2位」だという事実も紹介している。
とはいえ、英インデペンデント紙は、 「2014年に11人の亡命申請を認めた日本」が、「さらに難民に対する制約を強化するかもしれない」と、皮肉を込めて報じている。
同紙は、日本は今、申請が通らなかった人たちの国外退去処分の強化や、再申請の制限、新規申請者の事前審査などを盛り込んだルール改正に着手しているとしている。
法務省の担当 者は同紙に「日本に来る難民の数を増やしたり減らしたりしようとしているわけではなく、本当の難民を迅速に見極めようとしている」と、戦争・紛争から逃れ てきた難民ではない、いわゆる“経済難民”の排除が目的だとコメントしている。
◆800万戸の空き家に全シリア難民の2倍を収容?
各紙の論調は、こうした日本の「金は出すが直接支援はしない」という姿勢に概して批判的だ。ガーディアンは「低い認定率は恥ずべきことだ」「責任を直視せ よ」といった識者コメントを紹介。
インデペンデントは、先週、難民ら約100人が受け入れを求めてデモを行ったことを参加者の怒りのコメントと共に紹介し ている。
また、ワシントン・ポスト紙(WP)は日本人の一部からも「なぜヨーロッパのように受け入れないのか」という声が高まっていると する記事を掲載している。
同紙は、より積極的に支援すべきだとする毎日新聞の社説や「世界は彼らに背を向けようとしている。日本も背を向けたままで良いの か?」という中東を専門とするフリージャーナリスト、川上泰徳氏のツイートなどを紹介している。
WPはさらに、少子高齢化が進む日本で 「年金や健康保険を今後いったい誰が負担するのか?」と移民受け入れの必要性を暗示する。
また、「日本には既に800万戸の空き家がある」と報じた最近の ニューヨーク・タイムズ紙の記事を引き合いに、難民の生活の場は十分にあると指摘。
日本在住のテクノロジー・ジャーナリスト、ティム・ホルニャク氏の次の ようなツイートを取り上げている。「全シリア難民の2倍以上を収容できる空き家がある日本が、2014年にたった11人の亡命申請しか受け入れなかったの は正気の沙汰ではない」
◆世界の中で日本は……
では、実際に日本はどれくらい「最低レベル」なのか。豪シドニー・モーニング・ヘラルド紙が各国の受け入れ状況をまとめている。
(ヨーロッパ)
・ドイツ=今年だけで80万人を受け入れることを表明。
・フィンランド=今年の受け入れ予定を昨年の3600人から3万人に増やした。
・ハンガリー=今年14万人以上が入国。その多くがドイツに移動中。南部セルビア国境に高さ3.5mの「壁」を築き、今月15日までに国境を閉鎖するとしている。
・フランス=オランド首相が今後2年間で2万4000人分の受け入れを表明
・イギリス=キャメロン首相が5年で2万人の受け入れを表明
・バチカン=フランシスコ法王が全教区に最低1家族を受け入れるよう要請
・スウェーデン=今年7万4000人を受け入れる
・イタリア=北アフリカから渡ってきた12万人を受け入れ
・トルコ=世界最多の190万人以上のシリア人が国境を超えて来ている。その約3分の1が政府運営のキャンプで暮らしているが、他は拡散している。
(中東)
・レバノン=110万 ~150万人の認定・非認定難民を受け入れ
・ヨルダン=政府は140万人のシリア人を受け入れているとしているが、国連の調べでは約63万人という数字も
・カタール、UAE、サウジアラビア=裕福な湾岸諸国が援助の手を全く差し伸べていないという批判が人権団体から寄せられている
・イスラエル=シリアと国境を接する国で唯一シリア難民を受け入れていない。
(その他)
・オーストラリア=1万2000人のシリア難民受け入れを表明
・アメリカ=来年までに最低1万人のシリア難民受け入れる。来年は難民受け入れをトータルで5000人増の7万5000人とする。
・ベネズエラ=マドゥロ大統領が2万人受け入れ準備を命じる。
・ブラジル=昨年1405人を受け入れ、今年も「門戸を広げる」と表明。
・日本=昨年、シリア難民を含む5000人が亡命申請し、受け入れたのはトータルで11人(シリア人は累計で3人)。さらに基準を厳しくすることを検討中。』
今ヨーロッパで難民問題が大きな課題となっている。
シリア内戦が終結しない中、命を賭けてシリアを脱出している難民達。アフガニスタンやイラクも同様の状態だ。
あまりに難民の数が増えて難民キャンプでは対応ができなくなっている。
中東難民の多くの目的地はドイツ。
シリア難民家族を追ったCNNのニュースによると、海を渡った時は船に水が入ってきたり、赤ん坊や小さい子供がいるので自分の物は衣服ぐらいという悲惨な状況で旅してきている。
ほとんど眠らずに歩き続けたことも。
そのシリア難民家族は無事ドイツに到着したが、今はそこまでの道が閉ざされつつある。
ドイツに着くまではトルコ、ギリシャ、セルビア、ハンガリーなどの国を通過する必要があるが、ハンガリー政府はあまりの数の難民が不法に入国してくるのに業を煮やし、フェンスを作成し始めた。
難民キャンプは刑務所のようだという話も聞くので、シリア難民も決して難民キャンプに行こうとしない。
実は難民とは言え、彼らはかなりお金を払っているようだ。 難民を目的地に誘導するブローカーに。 多くのシリア難民が100万円近くは用意してシリアを脱出しているのではないかな?
難民とは言え、シリアで1年ぐらいお金を貯めてシリアを脱出した人が多いと思う。
難民と言うとすぐに着の身着のままで脱出と言うイメージがあるかもしれないが、今の難民はそうではないようだ。
そりゃそうだよね。無一文でトルコやギリシャへ行ったとして、誰がドイツ行きを助けてくれるだろうか? よほど運が良くない限り、そんな保障があるわけないよね。
ギリシャなどEU内の債務問題を抱えてそれどころじゃないしね。
だから、これだけ多くの難民をかもに甘い汁を吸っている悪徳ブローカーもけっこういるんじゃないかな?
難民の立場は弱い。滞在していれるだけで、多くの難民はVISAなど持っていないだろうから、それだけで逮捕される要件になる。足元を見られる事もあるだろう。
それでも無事ドイツに着ければいいが、かなりの難民がその途中で命を落としたり、拘束されたりしている。
そういう状況下で、EU内で難民受け入れが大きな問題になっている。 難民問題は政治的問題も絡む。
国土が大きいロシアはシリアのアサド大統領と仲が良いから、シリア難民の受け入れはしないだろう。
中国も自国の人口が多い上、イスラム教である中東難民はまず受け入れないだろう。
中国政府で問題視しているウイグル族がイスラム教徒という事もあるしね。
それに豚肉を食べないイスラム教徒のシリア難民にとっても、豚肉をあちこちで使う中国に住むことは先ず望まないだろう。
後、国土が大きいところと言えば、カナダがどのような受け入れを表明するかが気になるところ。
ヨーロッパ以外にも南米など難民受け入れを表明している国が出てきているが、そんな中、日本の難民受け入れ数が異常に低いことが海外批判の対象になっている。
日本政府はこれまでも難民受け入れに非常に消極的だった。
日本は国土が小さい。しかし、単純労働など働き手がなくなってきている状況である。 難民や移民受け入れと言うと悪い面ばかり強調されるけど、良い面もあるのだ。
単純労働者確保と言う面でもそうだし、税金だって当然入ってくるし、国内消費も伸びる。
また、彼らが隣人になることによって、シリアの事、中東の事、イスラム教の事など異文化を学ぶチャンスが増える。
難民の子供が日本で育つと、日本とシリアとの架け橋になってくれる可能性だって高くなる。
異文化と接する事で、新しい発想が生まれやすくなり、社会も活性化する。
もちろん、IS(イスラム国)というテロリスト関係者が入ってくる可能性があるから、審査は慎重にしなければならないとは思うけど、もう少し難民受け入れ数を増やしてほしいと思うな。
シリアなどに中東に直接人道支援金を渡すだけでなく、少しお金を使う方法を見直してみては?ある意味、お金の使い方も上手くアピールして、海外諸国を納得させるような戦略を練らないといけないんじゃないかなぁ。
概して日本政府はそういうのが下手だからね。
実は今、難民が世界で大注目されているのだ。
シリア難民だけじゃない!
アジアではミャンマーで虐待されていると言うロヒンギャの難民がマレーシアやタイ、インドネシアで問題になっている。
ヨーロッパ、特にイタリア辺りではシリアなどの中東難民ではなく、アフリカからのボートピープルが押し寄せている。そういったアフリカ難民の対応も大変だ。
日本は世界の貿易で成り立ってきた国。食料だって今輸入がストップしたら、日本の人口を支えきれない。食料自給率を見ても明らかだね。
これからも世界の国々との関係はとても大切なのだ。
世界が難民問題に注視している中、あくまでも日本は難民を受け入れないと言う姿勢を続けていれば、将来的にマイナスになって返ってくると思う。
「ヨーロッパは難民問題で大変だね」ではなく、日本人ももう少し難民問題についてもっと注目してほしいな。
昔からあちこちで戦争や紛争が起こるたび、難民は発生してきた。大きく人生の歯車が狂ってきた。各国政府にしてもそうだ。
もちろん、今回もシリア内戦がなければ、こんなに長く続かなければ、こんな大量の難民はヨーロッパに発生しなかったはずである。
いつまで経っても終わらないシリア内戦。家族を奪われ、家を破壊され、自分の命も危険にさらされてきたら、人間の本能として一か八かで逃げるよね。
希望がなくなれば生きられない。
早くシリア内戦が終わる事を祈るよ。
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