http://brazil2014.headlines.yahoo.co.jp/wc2014/hl?a=20140709-00050136-yom-int
『【リオデジャネイロ=吉田健一】サッカー・ワールドカップ(W杯)で8日、ブラジル代表が歴史的大敗を喫したことは、同国の政治や経済にも深刻な影響を広げそうだ。
ルセフ大統領は大会の成功を10月の大統領選への弾みとしたい考えだったが、巨額の開催費を投じたことへの批判が再燃するのは避けられない。
W杯用に建 てられた各地のスタジアムは「負の遺産」となる懸念もある。失意の国民が2年後のリオデジャネイロ五輪に向けて結束できるかは未知数だ。
◆大統領にブーイング ブラジルが5点差を追う前半終了間際。沈滞ムードに包まれたベロオリゾンテ・ミネイラン競技場で突然、ルセフ氏を名指ししたブーイングが約3分間続い た。
「歴史的屈辱」とまで評された試合への怒りが、W杯に110億ドル(約1兆1000億円)という史上最大規模の巨費を投じた大統領への不満に転じたと みられる。
ブラジルでは、6月12日のW杯開幕直前まで各地でデモやストライキが相次いでいた。教育や医療といった社会問題を置き去りにしたままW杯の開催準備を急いだルセフ政権への不満からだ。
ただ、代表チームが勝ち上がるにつれ、批判は減っていった。 世論調査でも、ルセフ氏の支持率は昨年11月の47%から6月上旬には34%まで落ち込んだが、7月の最新調査では38%に持ち直していた。
ルセフ氏はさらに観戦で訪れる各国首脳らと“W杯外交”も展開。大会成功を15日に開かれるBRICS首脳会議につなげて政権を浮揚させる狙いもあったが、大敗に水を差された。
10月の大統領選に向けた選挙戦は6日から始まっている。野党が政権批判を強めるのは確実だ。地元紙幹部は「優勝を逃した結果、政府批判は国民レベルでも再燃する」と予測する。』
ブラジルのサッカー代表セレソンが、準決勝でドイツに歴史的大敗をしたことで、ブラジルの政治に大きな影を落としている。
ブラジルではサッカーは国民的スポーツ。 しかし、今回のワールドカップブラジル大会には、ブラジルの社会問題に目をつむり巨額の費用をワールドカップ開催に投じてきた。
W杯開催前から、ブラジル各地でデモが起きていたのはご存知の通り。
これがブラジル地元開催で、ブラジル代表セレソンが優勝を飾ればこういった不満もある程度抑えられたはずだ。
サッカーワールドカップのブラジル開催は2度目。前回は決勝戦でウルグアイに負けて「マラカナンの悲劇」と言われていた。
ブラジルは世界最多のワールドカップ優勝を誇っているが、地元ブラジルでの優勝はブラジル国民の悲願でもあった。 その夢が準決勝で敗れたのもさることながら、その負け方が酷すぎた。
自他共にサッカー大国と認めるブラジルが、よもやの7失点。 歴史に名を残す屈辱的な負けになった。
単なる敗戦以上にこの怒りや悲しみは深い。 ブラジルを始め一部の国では、ワールドカップで負けると暴動が起こったり、死者が出たりするのは毎回のこと。 突然暴徒化するサポーターは手に負えなくなるからね。
だから、ワールドカップの試合は単なるサッカーの試合以上の影響があることをみんな知っている。政府関係者を始め、現場を仕切る警察なども緊張の面持ちでサッカーの試合を見ているはずだ。
今回もブラジルでバス20台以上が燃やされたり、商品略奪が起こったりしたと報道されている。
それにしても、タイミングが悪すぎるね。
地元優勝の期待がかかっていたところで、今まで他の国でも聞いた事がないような大敗。ぶざまな試合を一番見せてはいけない場面でやってしまったのだ。
これでブラジル国民のサッカー大国のプライドがズタズタに引き裂かれてしまった。
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これまでのブラジルスター選手も、あまりにショックだと思う。 サポーターの怒りや不満は、ブラジルワールドカップを推進して巨額なお金を投資してきたブラジル政権に向けられるだろう。
ワールドカップが終わって、各地のスタジアムが採算が取れずに重荷になってきて、社会保障などが思ったように改善されないようだと、ルセフ大統領がかなり激しい非難の的となるのは間違いない。
今年のブラジルは大統領選を始め、州知事選や上下両議員の選挙が行われる。 ブラジルの歴史的大敗は、単なるサッカーの試合で代表が負けただけではない。
日本ではワールドカップでぶざまな試合で負けて帰っても空港で歓迎されるくらいだけど、ブラジルでは全く状況が違っていて、政治問題にも大きく影響してくる。
このブラジルの選挙結果、ひいてはブラジル将来に、このブラジル代表セレソンの敗戦は影響してくるのだ。 ルセフ大統領はブラジル国民に「ワールドカップは成功だった」と納得させることはできなくなったからね。
ルセフ大統領にとっては正に悪夢だ。 ルセフ大統領はセレソンの歴史的大敗に地団太を踏んでいることだろう。
攻守の要、ネイマールとシウバが試合に出られなかったとしても、サッカー王国ブラジルが誰も予想もしなかったまさか、まさかの歴史的大敗だからね。
単に負けでもブラジル政権には影響が出るだろうに、今回は言い訳できない歴史的大敗。
ブラジル代表が6分間に4点を取った事はこれまでにあっただろうが、逆に取られた事なんてなかっただろうからね。 しかも、それがブラジル中、世界中が注目していたワールドカップの地元の試合で起こってしまった悲劇。
これで3位決定戦でブラジルがオランダに勝ったとしても、ブラジル国民のショックは癒されないだろう。
しかし、この試合でオランダのロッベンやスナイダーなどにどんどん点を取られて負けるようだと、ブラジルの治安は一気に悪化する。それは間違いない。
アルゼンチン対ドイツの決勝戦にもその影響がくるかもしれない。
ブラジルサポーターにとっては、ブラジル人が一番のライバルと思っているアルゼンチンが決勝に進んでいることも、大きな不満材料になっているからね。
3位決定戦はこれ以上、ブラジルの治安悪化を招かないためにも、セレソンはオランダ相手にすっきりした勝ちが求められる。絶対に勝たなければならない。それも圧倒的な勝ち方で。
しかし、そうやって勝ったとしても、ルセフ大統領にいっそう厳しい目が向けられる事は間違いないし、暫くは怒りが収まらないブラジルサポーターの暴動にも気をつけないといけない。
ただ、オランダ戦のブラジルの戦いは、サッカー王国のプライドを取り戻し、治安悪化を食いとめる重要な試合になる。 単なる消化試合ではないのだ。
精神的ショックを受け、攻撃の要エース、ネイマールを欠く中、どこまでスコラリー監督がチームを立ち直せるか。
かなり難しい仕事ではあるが、ブラジル国民はもちろん海外からの観光客にも影響してくるからね。頑張ってもらわないと。
ブラジルなど中南米、アフリカの一部の国では、サッカーの国際試合は他のスポーツとは違って、国を揺るがすくらい大きな意味があるんだよね。