性同一性障害の親子関係
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130417-00000100-mai-soci&pos=5
『心と体の性別が一致しない性同一性障害のため、戸籍上の性別を女性から変更した東大阪市の男性(30)が17日、第三者の精子を使った人工授精で妻 (31)が産んだ次男(10カ月)との親子関係の確認を求める訴訟を、大阪家裁に起こした。
男性と次男の血縁関係がないことが明らかなため、戸籍上、男性 は次男の父親と認められていない。この訴訟で親子関係が認められれば、男性は戸籍の訂正を申請する方針。
訴状などによると、男性は08年3月、性同一性障害特例法に基づいて性別を変更し、翌月に妻と結婚した。人工授精で09年秋に長男(3)、昨年春に次男 が生まれた。
しかし、法律上の夫婦の子である「嫡出子」と認められず、戸籍上、長男と次男は父親の欄が空白になっている。
法務省は民法の規定から、結婚した男女の間に生まれた子を嫡出子と解釈している。
男性の場合、戸籍に性別変更したことが分かる記載があるため、嫡出子と認められないという。
男性は「性別変更がない場合、第三者の精子提供で生まれた子どもでも夫婦の子とされている。性別変更を理由に認めないのは差別だ」と訴えている。
男性と妻は長男について、嫡出子と認めるよう戸籍の訂正を家裁に申し立てたが、1、2審とも退けられ、最高裁で係争中。【渋江千春】』
最近では性同一性障害などで生まれた時の性を変更する事も可能になった。
それによって世の中では様々な問題が生じてきている。
性の変更など考えられない時代に作られた法律には、そのような前提は全くない。
そこで法律の制定された考え方や世の中の動きを考慮して考える事になる。
今回は女性から男性に性変更し、妻が第三者の精子で生まれた子供の親子関係を認める訴訟が起こされた。
第1,2審とも退けられているのは当然だろう。
生物的に生まれない子供を嫡出子として親として戸籍上認める事になれば、戸籍制度そのものを破壊する行為に近い。
個人的には例え元々男性であった場合でも、第3者の精子提供で生まれる子供に親子関係を与える事には反対だ。
と言うよりも、第3者の精子提供で子供を生めるという事にもあまり賛成はできない。 子供が欲しいカップルには朗報となる部分もあるのはわかる。
しかし、遺伝子的に言えば、片方の親のものではないよね。
そのカップルにとってはそれでも満足なのかもしれないが、第三者の精子で生まれた子供が生きていく上でかなり重荷になってはいないだろうか?
何らかのきっかけで子供がその事実を知った時、自分の半分は誰の物なのか全くわからない不気味さ。受け止め方も色々だろうけど、かなり悩むのは推測できるよね。こんな動きもある。
第三者精子提供中止
カップルの気持ちだけで、生まれてくる子供の事を本当に考えている?
そんな感情もあるんだよね。
話を元に戻して、性同一性障害の男性の戸籍の話。
実際に生物的に生まれないのが明らかなのに親子関係になっているのを知った子供は一体どのように思うのか?
性を変えるという個人の自由を認めたとして、その子供にまで影響させるのは社会の秩序を乱すだけの事のような気がする。
少なくとも現時点で世間に、そういう事が認められる土壌は全くない。
大体、この場合、隠しておく事だってかなり難しいよね。
まあ、プライバシーの問題も出てくるけど、特別養子縁組に近いものを作った方がまだマシな気がするな。
特別養子縁組というのは普通の養子と違って、実方の父母との親族関係が完全に終了して養父母が父母になる制度。
親族関係、つまり親戚などの関係も養父母の親戚となり、実父母の親戚とは全く関係がなくなってしまう。
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僕が考え及びもしない様々な葛藤が、養子を出す方にも養子を受け入れる方にもあるとは思うけどね。
いずれにしても、個人の主張と社会の秩序と考え合わせた場合、この男性の主張は先ず通らない。
これが認められれば、戸籍制度や嫡出子の定義そのものを根本的に変更する事になるだろうからね。