イタリア 難民押し寄せ危機
アラブ難民に対する南欧諸国と北・中欧諸国との温度差
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110225-00000005-maip-int
『【ローマ藤原章生、ブリュッセル福島良典】チュニジア、エジプトからリビアへの民衆蜂起の飛び火を受け、地中海を挟み「対岸」に位置する南欧諸国が難 民・移民の流入に対する警戒を強めている。
イタリアはリビアから「100万~150万人」(マローニ内相)が押し寄せかねないとして欧州連合(EU、加盟 27カ国)に支援を求めている。だが、北欧・中欧諸国の反応は鈍く、中東激震でEUの「連帯」が揺らいでいる。
地中海に浮かぶイタリア領ランペドゥーサ島には13日以降、チュニジアから8000人以上が漁船や船外機付きボートで漂着した。政変で国を追われた政治難民と、欧州に職を求める不法移民だ。
イタリア政府は約6500人を本土などの施設に移し、EUも聞き取り調査にあたる専門家などを派遣した。
ランペドゥーサ島などイタリア沿岸部への漂着者は07年まで年間2万人強で推移していたが、08年に約3万7000人に増えた。ベルルスコーニ政権が 09年に同島の収容施設を閉じて漂着船を追い返す措置を取った結果、09年に約9600人となり、10年には3000人台にまで減ったところだった。
チュニジア政変に続きリビア情勢が悪化すれば、イタリアを目指して地中海を渡る難民や不法移民が急増し、社会不安を招きかねない。
懸念を見透かしたよう にリビアの最高指導者、カダフィ大佐は「反政府デモを支持すれば移民対策の協力をやめる」とEUに脅迫状を突き付けている。
グテーレス国連難民高等弁務官は欧州諸国に対して、リビアの内戦突入時などに発生が想定される難民の保護を要請している。
危機感を深めるイタリアなど南欧6カ国は24日、ブリュッセルで開かれたEU内相会議で「欧州全体の問題だ」(マローニ内相)と主張、「難民受け入れ基金」を新設して、他加盟国も負担 を分担するよう提案した。
だが、内相会議では負担増を嫌う他加盟国から「現時点では難民の殺到は起きていない」(デメジエール独内相)、「イタリアから他国への難民の振り分けに は反対だ」(フェクター・オーストリア内相)など南欧諸国に冷淡な発言が相次ぎ、EUとしての「一枚岩」の対応は打ち出せなかった。』
地中海を挟んで北アフリカと向き合うイタリア。イタリアの島に今月中旬からチュニジアの難民約8000人が漂着したという。この数はまだまだ伸びるだろう。
イタリアだけでなく、地中海沿岸諸国は警戒が必要かもしれない。といっても、チュニジアやエジプト、リビアなどからフランスやスペインまで行くには距離があるけどね。
アルジェリアにも反政府デモが飛び火するような事になれば、フランス、スペイン辺りも影響を受けるだろうが、今のところはアルジェリア政府は非常事態宣言解除など民衆に譲歩の姿勢をみている。
イタリア以外に影響を受けそうなのはギリシャぐらいか?
地理的には島国のマルタ辺りも近いが、小国なので難民受け入れは困難だ。 イタリアはチュニジアだけでなく、リビアが大問題だ。
リビアが崩壊するか、カダフィが殺戮を更に強めると、イチかバチか人生をかけて国を脱出するリビア人が多くなるのは簡単に想像できる。
特に今、カダフィ一家は生き残りをかけて、民衆デモを空爆しているとの情報もあるくらいだ。
内戦状態に近くなっている可能性がある。 イタリアはEUから金を引き出そうとするが、他の国にとっては自国問題ではないので反応は鈍い。
ただ、これをヨーロッパで起こっている、全く別の世界の出来事と我々は思わないことだろう。 北朝鮮が同じような状況になれば、日本にも大量の難民が押し寄せる可能性は高い。
韓国は北朝鮮に中東のデモのニュースを知らせる為、風船を飛ばすらしい。インターネットも制限されている北朝鮮国民に情報を与え、北朝鮮内部から民主化デモが起きるように焚きつけ、北朝鮮政府を揺さぶる方法を取るのだ。
北朝鮮の今後のことも睨みながら、日本はイタリアで起きる難民問題を観察しておかなければならないだろう。