身勝手の極意と言えば、頭で考えなくても身体が勝手に動いてくれる状態です。
発動した悟空は、大して本気も出さず超サイヤ人ブルー界王拳20倍を一蹴したジレンの本気状態に追随し、極めた際はそのジレンのトラウマスイッチ発動後の状態を最終的に追い詰めて実質的に捻じ伏せています。作中ではウイスと悟空(漫画版も含めるとビルス)が披露しています。悟空とケフラの戦いを見た後のベジータが思い浮かべた回想シーンからも、そのように察しが付きます。
悟空とベジータに稽古をつけていた時のウイスが言うには、
「全然スピードが足りませんね。2人とも、頭で考えて動いているからです。特にベジータさんにはその傾向が強いですよ。それでは速さに限界があります。五感、そして脳から神経を通って身体に伝わるまでには、時間がかかるんですよ。」
「身体中のあらゆるところが、勝手に判断して行動できるようになればいいんですが、これがとても難しい。ビルス様だってまだまだ完璧じゃありませんからね。克服できれば、どんな危機も回避できるんですがね。」
との事です。
生物学的に考えたら、どんなに修行によってスピードや反射神経を鍛えても、五感→脳→身体という神経回路を経由している時点で限界があるという事でしょう。
図解すると上記のようになります。
ゆえに、極意使用者とそうでない者が戦うと、前者は後者の攻撃を脳で認識する前に身体がオートで的確に動いてくれるので、初動までのタイムラグの差によって動作の手数的に得ができるという事になります。
他の人からすれば、目で認識する頃には基本的に既に攻撃が終わっているので、悟飯も言っていたように「攻撃に移る気配が全く読めませんでした」となるし、ベジータも言っていたように「奴が行動したという実感が掴めん」となります。
身勝手の極意を完成させた時の悟空(アニメ129話終盤)においても、視聴者目線からすれば「悟空いつの間にそんなにジレンに攻撃食らわせてたんだ!?」という感じでしたよね。
しかも「的確に」という事なので、相手のほんの一瞬の隙だろうと逃さず「的確な」タイミングで攻撃を繰り出す事ができ、効果的にダメージを与えられるという解釈もできます。
オセロやチェスなどで言うと、プログラムが常に作動していて最善手ばかり打ち続けるようなものと言えます。
尚、漫画版では、亀仙人が身勝手の極意と同じ原理の動きによって、一時的にジレンを若干翻弄しています。
攻撃面に関しては一発防がれただけですが、回避性能に関しては悟空やビルスでさえ驚くほどのものでした。
パワーやスピードでは悟空達に遥かに劣る亀仙人でさえパフォーマンスが向上するだけあって、
さすが破壊神でさえ到達困難な極意という事になります。
|
|
では、その身勝手の極意に対抗して戦えるようになるにはどうしたらいいのかと言うと、当方としてはざっくり4つ挙げられます。
1.同じく身勝手の極意
初動の早さで差があるなら、同じくこちらも身勝手の極意を発動させてその差をカバーすれば、対抗できる事になります。
後は、使用者のスペックによって決着がつくでしょう。
2.圧倒的なスピード
相手がこちらより早く行動に移るというのなら、スピードに磨きをかけて対抗すればいいのかも知れません。
しかし、どんなにスピードを上げても運動命令が脳を経由している以上は初動までのタイムラグの差は補えるはずもないし、それだけでいいのならディスポでも身勝手の極意に対抗できるはずです。
ディスポは「音速をも光速をも越えた戦士」とトッポに評されており、天使でも目で追うのがやっとなほどなので、スピードに関しては一流です。(余談ですが、声優がブロリーと同じ島田敏さんですね・・・。)
性格は青二才でしたが、超最高速モード時は神パッドのスロー再生でもとらえきれず、ゴールデンフリーザを圧倒し、そのフリーザが悟飯と共闘して動きを拘束して1人犠牲にしてやっと倒せるほどの猛者でした。
神パッドは、機嫌を損ねると宇宙を消してしまいかねない全王様の為に大神官が用意したアイテムなので、それなりに高性能である事は十分考えられます。その神パッドの、しかもスロー再生を出し抜くというのは、まさに神速と言えるでしょう。
しかし、動きが直線的である事、性格的な面、実力などから考えても、視聴者的に見たらディスポが身勝手の極意に対抗できるイメージが湧きません。
となると、スピードはあくまで必要条件であり、必要十分条件ではないと考えられます。
3.先読み
2.の 圧倒的なスピード だけで足りないとすれば、何が必要なのかというと、相手がどう動いてくるのか読めている事が重要になると考えられます。これに関しては、可能性は大いにあると思います。
身勝手の極意の動きに作中で唯一対抗できたのはジレンだけですが、ジレンは、大会前に破壊神が投げつけたカチカッチン鋼のブロックの軌道を知っていたかのように、あらかじめ軌道から外れた位置に少し動いて回避しています。
目で見なくても気を感じ取れば(心の眼で見れば)どのような動作を取るか分かるという事は、無印のドラゴンボールでもミスターポポや悟空が証明しているし、ジレンの洞察力が非常に高いという事は十分考えられます。
現に、ジレンはヒットの時飛ばしや幻影を「初見で」攻略しています。時飛ばしは、悟空もベジータも最初からは攻略できなかっただけあって、初見殺しとしては非常に強いです。悟空は、ヒットの動きを先読みする事でやっと攻略しています。
そのヒットの技のからくりを初見で見破るというのは、並の洞察力でできる事ではありません。
そして、129話のトッポによると「ジレン・・・孫悟空の動き・・・そして力の底。一度の手合わせ・・・そしてケフラとの戦いの観察で、既に見極めていたか」との事です。非常に洞察力の高いジレンだからこそ見極められた、並大抵の者ではまず無理、という事でしょう。
ウイスが「どんな危機も回避できる」と言うほどの神の御技なので、ただならぬ洞察力・先読み能力を備えたジレンだからこそ対応できたんだろうと解釈します。
また、ジレンがトラウマスイッチによって爆発的にパワーを上げた事によって一時は圧倒できていますが、これも、元々非常に高い先読み能力を持っていたジレンだからこそ、その圧倒的なパワーが効率よく活かされていたんだろうと当方は考えます。
4.自滅を狙って解除されるまで粘る
言うまでもありませんね。身勝手の極意兆も、完全なる身勝手の極意の方も、基本的には作中で1分も持続できていません。
しかし、その1分足らずの短時間でジレンに負けを認めさせています。
ジレンは単に戦闘力が高いだけでなく、孤独に耐えてたった1人で腕を上げてきただけあって、信念も非常に強く、絶対に負けを認めない存在でした。そんなジレンを戦闘面でも精神面でも捻じ伏せるのは、圧巻としか言い様がありません。
ただ、1時間以上超サイヤ人状態のパワーを落とす事なく維持できるブロリーなら、チャンスはあるかも知れませんね。
結論:身勝手の極意に対抗する為には、同じく身勝手の極意を使用するか、圧倒的なスピード+類稀な洞察力による先読み、自滅狙いで耐える のうちのいずれかになる。
これが個人的な意見となります。
読んでいただき、ありがとうございました!
|
|