吹き抜ける新たな風に
振り向く君はもういない
おぼろげな瞳に浮かぶ
楽園の危機は白黒のコントラスト
導き手が認知する幽玄の扉に
朝霧の森は続いている
逃避行を遂げたのは
乱世に蔓延る幾何学模様
夢の記憶よ、私にまとわりつくのはよしたほうがいい
私は既に、高度な歯車を手にしている
この世の全てに彩りを与えよう
静と動の感情を携えた私は
ベンチに腰掛け生暖かい風を浴びている
今夜、全て一から始めたところで
吹き抜ける新たな風に
振り向く君はもういない
「作者のコメント」
新年一発目。今年もよろしくお願いしますね、何作残せるか分かりませんが
久しぶりの連休だったので、少し気持ちに余裕ができたかな
今回は童話をイメージしてみましたわ
以前書いたフレーズで「君を乗せるはずだった白馬は走り去り、この草原にはもういない」っていう一節がありまして
※作品自体は既に消去した可能性あります
あれが地味に気に入っていたというか、結局おとぎ話に終始せず、つまりファンタジーと見せかけて
最終的には地に足の着いた人間として歩き出すみたいな・・・作中の人間が勝手に自立していくリアリティ
本作ではそれを高度な歯車という風に表現した訳です