その時は、小学4年生だった


4年生の秋


父は仕事の関係で、2週間以上家をあけていた


夜に電話をして、帰ってきたら、テニスでもしに行こうと言っていた

寿司も食べに行こうと言っていた






ある日学校にいたとき、午前中に担任に呼び出され、今お母さんはどこにいるかわかるかと聞かれた


んなもんわかるわけなく、当時携帯は持ってなかったから外出中の母親には連絡がつかなかった



そのあとすぐに、もう一度呼ばれ、今度は校長室まで連れて行かれた


そこにいたのは、幼稚園に通っている妹



校長室に向かうまでの間、担任には、「お父さんがちょっとけがをしちゃったみたいなんだ」と言われた



すぐに嘘だと思った

それまでに父がうっかりけがをするところなんて何度も見てきた


私はすぐに何か大変なことが起きたと分かって、その場で号泣した

私は学校で泣いちゃうような子供ではなかったけど、そのときはこらえきれなかった


校長室では、よくわからないまま私だけが泣いていて、とりあえず待たされた


どうやら母と連絡がつくまで待たされていたらしく、母が外出先から戻ってきた後すぐに私たち姉妹は家に帰された

その際も、近所の仲のいい友達の親が迎えに来てくれていた

これも異常だ

私はその時すべて悟ってたような気がする


家に帰ると母がいた

私は何があったかという質問はしなかった


すぐに家に父親の上司にあたる人がやってきた

私は怖くて母のうしろにいた

訪ねてきた上司が何を言っていたのかはほとんどわからなかったけど「10時1・・・・」と、時間を読み上げる声が聞こえた瞬間、私の悟りが正解だったとわかって、泣き叫んでいた


父親は亡くなってしまった


4年生とはいえ、私は声を上げながら泣いたことなんてなかった


4年生とはいえ、そんなドラマみたいにひとが死んでしまうなんてありえない、と思った



父親がすべてだった私の人生が突然、一瞬にして崩れた