市が主催する小学生ソフトボール大会。
幸運にも学区予選を勝ち進み、いよいよ本選への最後の一枠を争う試合。
互いに死力を尽くした一進一退の攻防が続きます。
なお親父が恐い顔で見ていますから、もちろん私は皆以上に死力を尽くしました。(笑)
その結果、同点のまま試合は終了。
いったいどうなるんだ?
少年たちは固唾を呑んで、事の成り行きを見守っています。
引き分け時にどうするかは、おそらくルールに明記されていたでしょう。
けれども、審判員をしている人たちは、親父と同じように学区の普通のおっさん。
いわばボランティアですから、詳細なルールなど把握していません。
まぁ、良くも悪くも大雑把な時代でした。
というわけで審判員が集まって、ああでもないこうでもないとやっていると…
突如として大きな声がグランドに鳴り響きました!
「ジャンケンで決めよう!」
驚いて声の主を確認すると、なんと相手チームの監督です!
この方は小学校のPTA会長を何年も務め、後に市議会議員となった、いわゆる地元の名士。
こどもながらに偉い人なんだろうなぁと思っていました。
そんな人がジャンケンでと言うのなら、そうなってしまう公算が大です。
これは推測ですが、彼は何らかの事情があって早く切り上げたかったのでしょう。
でも、少年たちにとってジャンケンとは、最も酷な決め方です。
お互いにあれほどがんばったわけですから。
ジャンケンはイヤだ…
声には出しませんでしたが、きっとみんなもそう思っていたはず。
そのときです!
