ニャンブラちゃんの家庭訪問 | 『チャイルドドクター・ジャパン』

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アフリカで医療支援活動するNPOチャイルドドクター・ジャパンのブログです。

経理の横山です。
先日自分の家族と共に、皆さんにご支援頂いているニャンブラちゃんの家を訪問しました。

ケニアでは、お母さんになった女性に対し○○ちゃんのママ、という呼称を使う習慣があるのですが、ニャンブラちゃんのお母さんも以下ママニャンブラと呼ばせていただきます。

ニャンブラちゃんは8歳、脳性まひの慢性疾患を持っていますがここ一年ほど体調が良くありません。
今年の新年が明けてすぐ、チャイドククリニックでぐったりとしたニャンブラちゃんを抱えたママニャンブラの姿を見ました。

それからすぐにニャンブラちゃんはケニヤッタ国立病院へ入院しました。
入院中に、チャイドクスタッフのメンバー2人とお見舞いに訪れましたが、高熱でぐったりと眠っているニャンブラちゃんを見て、ただ病気の回復を祈ることしかできない自分がいました。

お祈りをすることしかできませんでしたが、ケニヤッタ病院の病室で皆でニャンブラちゃんを囲みお祈りした際、自分たちのそばに「神様」がいてくださったように感じました。
ニャンブラちゃんはその後4ヶ月入院し、回復が見られなかったためゲートルーズ小児病院へ転院、そこでも数週間入院しました。

今回の訪問は、ゲートルーズ小児病院を退院後のニャンブラちゃんに会いました。
ケニヤッタ病院ではぐったりと眠ったまま、こちらの声にも反応できないほど弱っていたニャンブラちゃんでしたが、訪問時には握手をするとしっかりと握って、「ニャンブラー、ニャンブラー、サーサ!」と挨拶をするとにっこりと笑うニャンブラちゃんの姿がありました。

足もよく動かし、以前より活発さも見られました。
ただ、痙攣は相変わらず頻繁で日中の痙攣は減りましたが夜間の痙攣は相変わらず多いとのことでした。 ママニャンブラが食事の与え方も見せてくれました。
食事は胃ろうと言って、胃に穴をあけチューブを通し食事を与えるのですが容易ではありません。
摂取できるものも限定されていてお粥、牛乳、ほうれん草を液状にしたもの等を3時間毎に与えているそうです。
プラスチック注射器のような容器にを吸引し、50mlほどの量を4,5回に分けてチューブに通し与えていました。その際、容器に空気が入らないよう、慎重に確認してからチューブへ流します。空気があると胃の中にそのまま入ってしまうからです。

飲み物も口にすることができません。のどを詰まらせてしまうと呼吸困難となるので危険です。
ママニャンブラはとても強い女性です。体も丈夫で、何よりも心にパワーがあります。
ケニヤッタ病院では病院で寝泊りし、夜中の痙攣にも付き添い、家と病院の往復が4ヶ月続きました。
そして周りの人にも愛情深い女性です。



家を訪れた際に、ママニャンブラとの会話の中で「チャイドクはどうですか?」と尋ねた際、ママニャンブラからは「チャイルドドクターには心から感謝している。感謝以外に何もありません。」との返事でした。

「2年前にチャイルドドクターに助けを求めてやってきた際、私たち家族はとても困窮していたの。ニャンブラにセラピーを受けさせるお金もなくなり、家の中のものを売りさえもした。そのような中、チャイルドドクターに出会ったの。チャイルドドクターは本当に素晴らしい。チャイルドドクターの存在がなかったら、今ニャンブラはここにいなかったことでしょう。」

「薬代も毎月多額の費用がかかるけれど、それもチャイルドドクターが出してくれている。それがどれだけ助けになっているか。」
ママニャンブラの言葉を聞きながら、隣でキョロキョロと目を動かし私たちの会話を聞いているような素振りのニャンブラちゃんを見ながら、チャイルドドクターの活動がどれだけ意義のある、価値のある活動を行っているかを感じました。

そしてチャイルドドクターの活動は日本の支援者さんのお気持ちがあって成り立っています。
ニャンブラちゃんは支援者の方に支えて頂いている一人の子で、ほかにも同じように、日本の支援者の皆さんに支えていただいている多くの命があります。

今日のこのレポートを通し、皆さんからのご支援が一つ一つの家族にこんなにも影響を与えているということを少しでも感じていただけたなら私も嬉しいです。

横山